JA鹿児島県中央会・山野徹会長、JA鹿児島県信連・中條秀二会長は11日、伊東良孝農林水産副大臣、藤木眞也農林水産大臣政務官を相次いで訪ね、令和3年度予算に関わる農畜産物対策について要請した。野村哲郎参議院議員が同行した。
「農業の発展や国産農畜産物の安定供給を図るためには、経営安定対策や生産振興対策を通じて、安心して経営ができる環境づくり、ならびに、食料自給率の向上や安心・安全につながる対策が重要であり、コロナ対策と併せて農家が意欲を持って持続可能な経営に取り組める万全な対策の確立が必要」として政府の来年度予算の概算要求・本予算への予算確保と政策実現に向けて、農家の経営安定と生産基盤の維持がはかられるよう求めるもの。共通対策として、「新型コロナウイルス対策の継続・強化」「国際貿易交渉対策」「食料自給率・自給力向上等に向けた生産基盤の強化」「鳥獣被害対策の推進」「JA自己改革の後押し」とともに、畜産、茶業、甘味資源作物など品目別対策について要請した。
このうち、最重点項目として肉用牛対策を挙げ、①繁殖牛生産基盤強化対策(▼繁殖農家の高齢化等がすすむ中で、肉用牛生産の安定をはかるためには繁殖基盤の維持・強化が必要であることから、「生産基盤拡大加速化事業」の継続と十分な予算を確保すること、▼新型コロナウイルス感染症の影響により繁殖経営が厳しい状況の中で、子牛価格の下落による生産意欲低下を防ぐため、繁殖農家の経営安定に向けて「優良肉用子牛生産推進緊急対策事業」などの支援対策を継続すること、▼繁殖雌牛の増頭の取り組み等を支援する「肉用牛経営安定対策補完事業」は、肉用牛生産基盤の維持・強化対策として不可欠な事業であることから、事業継続するとともに十分な予算を確保すること。また、優良な繁殖雌牛の導入支援は、1年間の措置となっているが、産地の要望に沿って事業継続すること)、②肥育牛経営安定対策(新型コロナウイルス感染症の影響を受け、牛肉需要が減退し、枝肉価格の低下により肉用牛肥育経営安定交付金制度〔牛マルキン〕が発動されているが、生産者積立金の基金残高の枯渇等により肥育農家の更なる経営悪化が懸念されることから、経営安定に向けて生産、流通・販売対策の両面から農家支援を強化すること)、の必要性を訴えた。