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日本公庫が伊予銀行と連携し「フィンガーライム」の産地化を支援

2021年5月13日

 日本政策金融公庫松山支店農林水産事業は、伊予銀行と連携して㈱かじ坊(愛媛県八幡浜市、梶谷光弘代表取締役)に対してこのほど、スーパーL資金を融資した。

 かじ坊は、柑橘の生産と販売を行う農業生産法人。平成26年に国内で栽培方法が確立されていなかったオーストラリア原産の柑橘「フィンガーライム」の栽培を開始し、5年間をかけて栽培ノウハウの確立を進めている。また、需要サイドからも国産フィンガーライムを安定的に供給してほしいというニーズがあることから、栽培規模の拡大を検討してきた。

 同時に、行政でも農業者の所得向上を図るために高級柑橘の産地化を目指しており、令和元年度にフィンガーライム産地化検討会を開催。この取組みに賛同した生産者(10者)を会員とする「フィンガーライム産地化推進協議会」を発足させ、かじ坊の梶谷代表が協議会会長に就いた。このほど、協議会が事業実施主体となり、県の補助事業(「次世代につなぐ果樹産地づくり推進事業」)を活用してハウスを整備した。この事業のうち、同社のハウス(4a)の建設に必要な資金に対して、伊予銀行と日本公庫が協調して支援した。

 また、日本公庫では愛媛県とも連携し、フィンガーライムの認知度向上と販路開拓を目的に、県が整備を進める「すご味」データベースへの掲載を推薦した。「すご味」データベースは、県の優れた食材・食品を網羅したデータベースを整備し、バイヤー向けの商品カタログ冊子やホームページにより、「すご味」として強力にPRするとともに、販路の拡大を図る事業。

 日本公庫は「今後も農林漁業者の皆さんの経営改善の取組を支援していく」としている。

【フィンガーライム】
 その形状が人の指に似ていることからフィンガーライムの名がつく。料理に彩りを添える食材として使用されるが、日本での流通量は少なく高値で取引されている。

※詳報は日刊アグリ・リサーチに掲載しております。

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