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農林中金とJREがサステナビリティ・リンク・ローンの契約締結

2021年1月19日

J―REIT業界では初、持続可能な事業活動・成長を支援

 農林中央金庫(奥和登代表理事理事長)とジャパンリアルエステイト投資法人(=JRE、柳澤裕執行役員)は18日、J―REIT業界では初となるサステナビリティ・リンク・ローン(=SLL)による金銭消費貸借契約(以下「本件ローン」)を締結したと発表した。

 SLLは、借り手の経営戦略に基づくサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(=SPTs)を設定し、貸付条件をSPTsの達成状況に連動させることで、借り手に目標達成に向けた動機付けを促進し、環境・社会の面から持続可能な事業活動および成長を支援することを目指すもの。

 JREは、環境への配慮・社会貢献・ガバナンスの強化などの、社会の持続可能性向上に取り組むことが、上場投資法人として期待されている社会的責務であり、投資主価値の最大化を図る上でも不可欠であると考えており、JREの資産運用会社であるジャパンリアルエステイトアセットマネジメント㈱は、サステナビリティ方針を策定し、環境負荷軽減につながる保有ビルの設備改修やグリーンビル認証の取得、地域社会への貢献活動等、様々な取組みを行っている。

 農林中金は、2019年からサステナブル経営をスタートさせるなか、JREのサステナブル経営にかかる長期ビジョンの理念に共感し、本件ローンによる資金供給を通じ、環境・社会課題のうち、農林中金が重視している気候変動問題の解決に貢献するものと評価し、本件ローンの対応に至ることとなった。

 本件ローンは、JREの「サステナビリティ方針」に基づく目標を踏まえて、CO排出量(2030年度目標:2013年度比35%削減、原単位ベース)とBELSにおけるZEB認証を取得した不動産の保有棟数(30年度目標:5棟)をSPTsに設定した。なお、本件ローンの契約締結にあたっては、SLL原則への準拠性や、設定したSPTsの合理性について、㈱日本格付研究所から第三者意見を取得しており、上記SPTsについては、野心度および有意義性等の観点からSLL原則に適合しているとの評価を得ている。

*ZEB=室内環境の質を維持しつつ、再生可能エネルギーの導入で年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指した建築物

※詳報は、日刊アグリ・リサーチに掲載しております。

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