総務省は6日、「ICT地域活性化大賞2020」受賞案件を発表した。ICT(情報通信技術)を活用して、地域が抱える様々な課題を解決し、地域の活性化を図るため、自律的な創意・工夫に基づき地方公共団体や地域団体、民間企業等がICTを利活用している事例を募集したもの。
〈大賞/総務大臣賞〉は、「消防団員が考案した消防団のためのICTソリューションアプリ」(実施主体=情報整備局、実施地域=福島県須賀川市、福島県古殿町)が受賞した。このほか、〈優秀賞〉のうち、畜産に関係する受賞が以下の2件あった。
▼ドローンで牛追い〝スカイカウボーイ〟…実施主体は豊富町振興公社、豊富町大規模草地育成牧場、宗谷農業改良普及センター宗谷北部支所、㈱AIRSTAGE、㈱NTTドコモ。実施地域は北海道豊富町。牛から離れた場所から、ドローンから流れる音声を使って牛追いをする取り組み。成果として、①費用面の削減効果では、1日あたりの作業時間削減量は75分削減(約83%削減、*約3750円分の労働対価の時間が削減)、半年では45万円削減、現在の牛追いは1組2名で、3組6名が実施しているので、今後本格導入することで6倍(270万円)の労働対価に相当する時間削減が期待される、②起伏の激しい牧草地を歩く必要がなくなり、身体的負担がかなり軽くなった、③酪農業務に対する魅力向上、④全国ニュース2番組、道内ニュース2番組、新聞各紙に紹介され、地域及び牧場に対する注目度向上、したことがあげられる。
▼国内初!自治体主導による「スマート畜産」…実施主体は鹿児島県肝付町、鹿児島県大隅地域振興局農林水産部農政普及課、JA鹿児島きもつき、㈱ファームノート、㈱NTTドコモ。実施地域は鹿児島県肝付町。牛の発情兆候をIoTセンサで確実に発見、スマホに通知することで、従来あった発情見逃しの防止や、農場データ構築による業務省力化で生産者負担を軽減した。母牛の発情見逃しは、授精機会の喪失を意味し、収益減少に直結するがこの取組で、発情見逃しはほぼゼロとなった。町主導で若手生産者をグループ化・関係機関でデータ共有、自治体や農協など、公的セクタによる営農指導に活用できるため、経験の浅い若手生産者のサポートに有用となった。平均分娩間隔は平成27年度408日→令和7年度405日以下を目標に掲げているが、元年度は400・5日と目標を達成した。