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自民農民の健康を創る会が農水省などから関係予算案を聴取

2018年1月26日

 自民党農民の健康を創る会(宮腰光寛会長)は二五日、総会を開き、厚労・農水両省から平成三〇年度の関係政府予算案の聴取を行った。
 また、昨年一一月のJA全中・全厚連による「医師の偏在の解消」など四項目の団体要請に対する対応状況の報告が行われた。厚労省は地域医療確保対策の推進や僻地・離島における臨床研修の充実を図る予算案を計上していることを示すとともに地域間の医師偏在の解消等に関連する、「医療法及び医師法の一部を改正する法律案」の国会提出に向けて調整を進めていることなどを報告した。
 農水省は関係予算案として「農山漁村振興交付金」(概算決定額一〇〇億七〇百万円)の枠で「農福連携対策」「農山漁村活性化整備対策 うち高齢者等の活動を支援するための施設の整備」を用意していることを説明した。▽農福連携対策は高齢者の生きがいや障害者の就労・雇用等を目的とする福祉農園及び附帯施設の整備などを支援するほか農山漁村を障害者等の就労訓練の場など福祉と連携した農業活動の取組に対して支援する、▽農山漁村活性化整備対策 うち高齢者等の活動を支援するための施設の整備は高齢者の生きがい発揮等を目的に、地域の伝統文化の継承、地域の農産物や特産品の生産活動等に寄与するための拠点施設等の整備を支援する。
 総会に出席した全厚連の前田隆副会長は、「厚生連においては社会保障費抑制の流れの中、地方における医師の偏在の問題や施設医療機器の更新等の際に発生する多額の消費税、負担などにより一層厳しい事業を余儀なくされている。昨年一一月に開催された総会において、医師の偏在解消など四点について要請した。これらは地域医療を守っていく上でぜひとも解決していただきたい問題だ。ぜひとも、同会の議員はじめ農水省、厚労省の各位にも特段のご理解、ご支援を賜りたい」と訴えた。また、総会での議論を受け中村純誠理事長は「医師の不足、偏在は地域医療の致命傷になる。これは厚生連の病院だけでなく、他の公的病院も含めて地域の医療が困難を極めているところであるので、実効性のある施策をお願いする」と要請した。
 宮腰会長は「農業農村を取り巻く環境は高齢化や過疎化が問題となっているが、農業者は長寿で元気があるとの調査結果も出ている。早大の重点領域研究機構が自営農業者の医療費はそれ以外の人に比べ三割程度少ないとの調査結果を公表している。農業や農村の魅力をもっとアピールするなど、これからは農村を元気にすることを考えていかなければいけない」と語るとともに、「農家所得の向上を目指す上でも医療の確保が不可欠であり、僻地であっても健康で安心して暮らせるような支援が必要だ」と述べた。

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