県内の全養豚農場に対し飼養衛生管理基準の遵守徹底指導等
農水省は26日、三重県いなべ市において捕獲された野生いのしし2頭について豚コレラ陽性が確認されたと発表した。同省では三重県と連携し、県内の全養豚農場に対して改めて飼養衛生管理基準の遵守徹底を指導するとともに、速やかに経口ワクチンの散布等を実施する方針。なお、今回確認されたウイルスは遺伝子解析の結果、国内で確認されている1~6例目、8~26例目のウイルスと同一のものだったという。
三重県によれば、6月25日、いなべ市北勢町及び同市藤原町で捕獲された野生いのしし各1頭を農研機構動物衛生研究部門で豚コレラ確定検査を実施したところ2頭とも県内初となる豚コレラの陽性と確定された。同県では24日までに18頭の野生いのししの検査を行っていたが、陽性は見つかっていなかった。県では、今回の確認地点の10km圏内にある農場は、既に監視対象農場として設定されており、これまでのところ飼養豚に異状がないことを毎日確認している。
今後同県では、県内の全養豚農場に対して改めて飼養衛生管理基準の遵守徹底を指導するとともに、6月14日に県内養豚農家に呼びかけた緊急消毒の実施期限を7月12日から7月5日に繰り上げ、早期の防疫を徹底する。さらに、今回の捕獲地点から半径10km圏内の区域および周辺地域において、野生いのししの豚コレラ感染状況を把握するための調査をより一層強化する。このほか、経口ワクチン散布については、すでに豚コレラ感染野生いのししが侵入している可能性もあることから、国と調整しながら、できる限りスケジュールを前倒しして、取り組んでいく。なお、今回の確認地点は、経口ワクチン散布予定地域内となっている。