㈱全農ビジネスサポート(久保田治己社長)は5月31日から、全農運営のECサイト「JAタウン」のショップ「おいしいとびら」で大豆発酵食品『発酵そみファ』〔写真〕の予約販売を開始する。
同社によれば、「発酵そみファは、味噌屋さんが伝統的な味噌の造り方に工夫を加え、同じ国産大豆・同じ国産のお米・同じ麹菌を使って食塩を使用せずに丁寧に発酵・熟成させて造った新たな伝統食品」。Aコープマーク品の味噌を製造する山印醸造㈱(石川佳一社長)との共同開発。
国際的にみて日本人の塩分摂取量が多いことから塩分の削減が指導されている一方で「新型コロナウイルスが猛威をふるうなかで摂取量が増えている」発酵食品に注目が集まっている。こうした状況を受けて、塩分ゼロの大豆発酵食品として開発した。
味噌の定義は「大豆や米麹などに塩を入れて発酵・熟成させたもの」。「発酵そみファ」は塩を加えないために「味噌」と表示できないが、㈱味香り戦略研究所による味覚測定によれば、山印醸造の通常味噌との比較において、「発酵そみファの方が先味の甘味・旨味の数値が高く、後味の旨味(コク)も深く、酸味も穏やかであることから、まろやかな味わいであることが考えられる」と分析されている。当面は、3か月で10tの販売数量を目指す。原材料の国産大豆は、全国農協食品㈱を通して安定的に調達する。要冷蔵。5%程のアルコールを含む。販売単位は1ケース(300g×6個)3240円(税込・送料別)。7月から順次出荷する。6月30日までの予約受付分については送料無料。また、同商品が抽選で1000名に当たるモニター募集キャンペーンも5月31日から6月30日にかけてSNS上で実施する。
「発酵そみファ」は、全農ビジネスサポート社内に新たな取組みを行う社風づくりの一環として昨年度創設された「新規事業提案制度」から生まれた商品。約50件の社内公募の中から、金賞を受賞した東京農業大卒の社員グループによる提案「発酵食品の機能性を発揮した新たな大豆蛋白の商品開発」を採用した。今年3月の機構改革で担当する事業開発推進部を新設し、4月から全農とJAたじま(兵庫)から出向者を同部に受け入れるなど、多様な分野の人材を配置している。
18日に行われた新商品記者説明会で久保田社長は「伝統食品でありながら、革新的な大豆発酵食品を開発した」と述べ、「山印醸造に、塩分0で味噌を作れないかと相談したところ、試行錯誤をしていただき、非常に旨味成分のあるものが出来た」と商品への自信を語った。
全農ビジネスサポートでは、発酵した良質な大豆蛋白を塩分を気にすることなく、主食としても副食としても、甘くしてお菓子としても、朝昼晩いつでもたくさん、自由な食べ方ができると提案する。