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農林中金福島支店が和牛子牛生産法人への営農再開を支援

2021年4月20日

新牛舎稼働で県内最大級の規模に、地域活性化に貢献

 農林中央金庫福島支店は原発事故以前、避難区域で畜産業を営んでいた古山牧場と連携し「㈱ビーフジャパン」の営農再開を支援した。

 福島県浪江町津島地区は、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響により警戒区域に指定され、住民は避難を余儀なくされた。古山牧場は震災以前、個人農家として同地で和牛肥育業を営んできたが、避難指示を受け牛とともに避難した。その後、2015年にいわき市三和町に牛舎を建設、和牛繁殖に業態を転換して母牛50頭規模で営農を再開、2017年には規模拡大に向けビーフジャパンを設立。農林中金と福島さくら農協は「畜産クラスター事業」を活用したビーフジャパンの牛舎増設に向け、事業構想段階から営農計画の策定やクラスター事業にかかる行政との調整に努め、牛舎建設費と素牛導入費の融資対応を行った。

 2019年の台風19号による豪雨災害や新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも今年3月に新牛舎が完成、4月19日に新牛舎への子牛の初導入に漕ぎつけた。

 ビーフジャパンは、新牛舎稼働により、年あたり飼養母牛280頭、出荷子牛230頭の県内最大級の和牛子牛生産法人となり、県域畜産業の復興、耕畜連携による地域活性化への貢献が見込まれる。また、浪江町津島地区は今なお帰還困難区域解除の見通しが立たない状況にあるが、古山牧場はいわき市三和町での現行事業に加え、将来的な浪江町での営農再開を目指す。

《畜産クラスター事業》
 畜産農家に加え地域関係者(行政、JA、流通・加工業者など)をクラスター(房)型に結集し、収益性の向上を図るもの。設備取得や機器リースに対し、行政から補助金が拠出される。

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