日本農業の発展と農業経営の安定、農村・地域振興、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

AIを活用した野菜5品目の市場価格を予測するサービスを開始

2021年4月20日

 人工知能(AI)を活用した野菜5品目の市場価格を予測するサービスが開始されている。

 国立研究開法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)が取り組む「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」事業の一環で、㈱ファームシップと豊橋技術科学大学が、AIを活用した野菜の市場価格予測アルゴリズムを開発、既に東京都中央卸売市場大田市場のレタス価格を月次で予測する取り組みを進め予測アルゴリズムを実証しているが、このほど、レタスに加えトマトやイチゴなど5品目の市場価格を週次単位で高精度に予測する仕組みを開発し、無償で市場価格の予測サービスを提供している。

 野菜の市場価格と植物工場販売量のデータを相関分析することで、植物工場で生産される野菜の需要が、市場流通している露地野菜の価格に大きく依存していることを確認。これにより、大田市場のレタスの市場価格と植物工場のレタスの需要量の相関関係に着目し、これまでのレタスの市場価格などのビッグデータを収集後、AIでそれらを機械学習させて解析、一週間先のレタスの市場価格を高精度に予測する仕組み。

 この市場価格予測実証サービスの利用希望者は、ファームシップが運営するサイトにアクセスし、ユーザー登録することで対象5品目の市場価格の予測をメール配信により無償で入手できる。

 今後、NEDO、ファームシップ、豊橋技術科学大学は、この実証を通じて、需要予測システムと生育予測や成長制御を統合した生産制御システムの有効性を検証する方針。また、ファームシップは需要予測値と実績の精度を確認した上で、システムの充実・強化を図る。さらに、ファームシップと豊橋技術科学大学はこの実証で得たデータをもとに、「AIによる植物工場等バリューチェーン効率化システム」の研究開発を進め、栽培する野菜の成長制御や物流など各プロセスの最適化を組み合わせて、バリューチェーン全体の効率化を目指す。

 なお、ファームシップは、野菜の市場価格予測アルゴリズムを植物工場技術に活用するこの事業での取組みなどが評価され、(一社)電子情報技術産業協会が主催する「2020年度第6回JEITAベンチャー賞」を受賞した。

対象市場:東京都中央卸売市場大田市場
対象品目:レタス、トマト、ミニトマト、イチゴ、ほうれん草、の5品目
サービスサイトURL:https://priceforecast.farmship.co.jp/

keyboard_arrow_left トップへ戻る