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岡山県 JAつやま 「経済事業改革の取り組みについて」

2019年10月7日

令和元年度 JA営農・経済担当常勤役員・幹部職員研修会
第5回JA営農・経済フォーラム(西日本地区 2019年8月27~28日)
JAの実践事例報告より


 

代表理事専務 中西直政 氏

 

購買店舗集約・物流合理化で収支改善

 

 平成29年、全国初のJA-CATつやま店を、31年にはサテライト店JA-CAT鏡野店をオープン。今年度中には南部地区に3号店を設置予定である。JA-CATは、JAと全農の協同運営方式による資材店舗で、地域一番の品揃えと営農相談機能の充実による地域に密着した営農資材の専門店である。「つやま店」は約260坪の売場で年末年始を除き年中無休、ATMやコイン精米機、パイプハウス等を併設している。「鏡野店」は約109坪で、毎週木曜が休日。JAの金融支店や営農経済センターに併設されている。
 JA-CATの設置に併行し購買機能の集約を進めた。29年度から配送業務を全農に全面委託。全農岡山北部広域配送センターからの新たな農家戸配送体制を構築しJA-CATと連携し、より利便性の高いサービスに取り組んでいる。これに伴い、JAは営農指導や購買推進等のコア業務への要員シフトを図り、組合員対応力強化をめざすことが可能となった。
 戸配送対象品目の実績は稼動1年目7億7848万6千円だったが、2年目には8億6900万8千円となった。物流改革前の物流コストは2億0049万2千円であったが、稼働1年目で1900万円、2年目で3400万円余削減された。物流コスト比率も改革前の25.6%から2年目には19.2%と着実に改善されている。購買品取扱いはつやま店管内で設置前の28年度に比べ30年度は119%、JA全体では106%となり、加えて購買機能集約により約5千万円の経済事業収支改善ができた。
 JA-CATのキーポイントは、ホームセンターに真似ができないことをどれだけやれるかにある。30年度16回開催した講習会は参加人数が大幅に増え1053名が参加。店舗実績だけでなく、営農事業全体を含めた見方・位置付けが重要だ。
 営農相談員は人選が成功の鍵になる。また、相談員不在時に一定対応できるツールも用意し、スタッフ全員で使い方を共有する体制も敷いている。さらに取引先の自店訪問の際に、スタッフを集めて10~20分程度の簡易研修を多頻度で実施。「相談力」での差別化を図っている。

(日本農民新聞 2019年9月25日号掲載)

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