水素分野におけるグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進するための新たな団体「水素バリューチェーン推進協議会」が設立された。
欧州では、「欧州グリーンディール」を提唱(2019年12月)、2050年CO2排出実質ゼロの目標を掲げ、EUにおいては水素エネルギー戦略を公表(20年7月)。また、ドイツでは、国家水素エネルギー戦略を決定(20年6月)、日本においても17年に水素基本戦略を策定し、以降、水素・燃料電池戦略ロードマップ、水素・燃料電池技術開発戦略を策定するなど、世界各国での水素社会実現に向けた取組みが加速している。
水素社会構築を加速させるための課題とされる、①水素の需要創出(輸送機器、発電等のエネルギー、化学・鉄鋼等の非エネルギー)、②技術革新によるコスト削減(技術革新による製造、輸送、貯蔵等のコスト削減)、③事業者に対する資金供給(需要拡大とコスト削減を同時に推進するために必要)、を解決するために横断的な団体が必要であるとして、「水素バリューチェーン推進協議会」を立ち上げたもの。
同協議会の共同代表者は、内山田竹志(トヨタ自動車代表取締役会長)・國部毅(三井住友フィナンシャルグループ取締役会長)・牧野明次(岩谷産業代表取締役会長兼CEO)の各氏。理事会員は岩谷産業、ENEOS、川崎重工業、関西電力、神戸製鋼所、東芝、トヨタ自動車、三井住友フィナンシャルグループ、三井物産の9社。現在は任意団体だが、将来的には一般社団法人化を展望している。会員は12月7日時点で88社となっている。
①社会実装プロジェクトの提案・調整、②ファンドの創設、基本的な管理・運営の検討、③需要創出、規制緩和等の政策提言、④国際的な活動、⑤国内外の情報収集・分析・発信、を活動内容に、ワーキンググループ(事業化・規制、渉外、調査)を設置。来年1月~2月にワーキンググループ活動内容についての議論、水素普及に向けた論点出し、政策提言に向けた情報収集を行い、政府に提言を行う予定。また、▼地方自治体と連携した特区制度を活用する「地産地消型プロジェクト」、▼海外での水素製造、輸送、貯蔵の課題解決を図る「サプライチェーン型プロジェクト」、▼商用車、鉄道・船舶、化学・鉄鋼等への需要拡大を図る「需要拡大型プロジェクト」、を想定している。
会員数88社(2020年12月7日現在、50音順)
IHI/あいおいニッセイ同和損害保険/アイシン精機/愛知製鋼/旭化成/アサヒグループホールディングス/出光興産/伊藤忠商事/岩谷瓦斯/岩谷産業/ENEOS/大阪ガス/大林組/沖縄電力/加地テック/鹿島建設/ガスパル/川崎汽船/川崎重工/関西電力/キリンホールディングス/銀泉/クボタ/神戸製鋼所/国際協力銀行/国際石油開発帝石/GE Gas Power/四国電力/商船三井/新コスモス電機/スパークス・グループ/住友化学/住友商事/住友電気工業/西濃運輸/セブン&アイ・ホールディングス/損害保険ジャパン/大陽日酸/高砂熱学工業/ 竹中工務店/タツノ/中部電力/千代田化工/電源開発/デンソー/デンヨー/東京ガス/東芝/東邦ガス/東北電力/東洋エンジニアリング/東レ/トキコシステムソリューションズ/トクヤマ/トヨタ自動車/豊田自動織機/豊田通商/日鉄エンジニアリング/日東電工/日本エア・リキード合同会社/一般財団法人日本海事協会/日本コムシス/日本政策投資銀行/日本製鉄/日本郵船/野村證券/パナソニック/日立造船/日野自動車/北陸電力/北海道電力/本田技研工業/丸一鋼管/丸紅/三浦工業/みずほフィナンシャルグループ/三井E&Sマシナリー/三井住友海上火災保険/三井住友フィナンシャルグループ/三井物産/三井不動産/三菱化工機/三菱ケミカル/三菱商事/三菱ふそうトラック・バス/三菱UFJ銀行/ヤマト運輸/ヤンマーパワーテクノロジー