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JR東日本グループ初の果物の観光農園が来3月開園

2020年10月28日

 JR東日本グループの仙台ターミナルビル㈱(宮城県仙台市、松﨑哲士郎代表取締役社長)は、2021年3月の「体験型観光農園」開業に向け準備を進めてきたが、11月から同施設の建設に着工する。また名称を「JRフルーツパーク仙台あらはま」に決定した。

 JR東日本グループでは、地域活性化に向けた取組みの一環として農業事業にも取組んでおり、これまで㈱JRとまとランドいわきファーム(2014年設立、1・7ha)と㈱JR新潟ファーム(16年設立、9ha)、㈱JRアグリ仙台(17年設立、4・5ha)が農業生産を行っている。これらは地元の農業者との共同出資による農地所有適格法人で、今回は仙台ターミナルビルの社員等が生産から販売までを行うJR東日本グループとして初めての直営事業となる。

 仙台ターミナルビルは、2018年春から仙台市が主導する東日本大震災からの復興事業である「仙台市集団移転跡地利活用事業」に参画。仙台市若林区荒浜地区(集団移転跡地)の約11・0ha(うち圃場面積7・5ha)の体験型観光農園内に、総合施設棟(直売所、カフェ・レストラン、加工体験室)、研修棟(教育、視察旅行の際に多目的に活用できる施設)、等の建設を進めてきた。同農園での栽培品目は、いちご、ブドウ、リンゴ、ナシ、ブルーベリー、イチジク、キウイ、スグリ。

 開園に向けて11月下旬から宮城県産の「にこにこベリー」と「もういっこ」の2品種のいちごを収穫する予定。2021年3月の開業に先立ち、近隣の学校関係などへの摘み取り招待やエスパル仙台での販売イベント、ホテルメトロポリタン仙台レストランでのフェア等を企画している。

【体験型観光農園のコンセプト】
①一年を通し旬の果物の摘み取り…8品目156品種を一年を通して摘み取り体験できる。2021年はいちごとブルーベリー、2022年以降はブドウ、リンゴ、ナシ、イチジク、キウイ、スグリも含めすべての果物が対象。
②高品質な果物の市中等への供給(販売・ホテルレストラン等への食材提供)…高品質な果物を市中へ出荷するとともに首都圏等への販売にも取り組む。海外への出荷も目指す。
③地域の農業生産者や東部沿岸地域の復興事業に参画している事業者等と連携…JRフルーツパーク仙台あらはまを拠点として地域の農業生産者や東部沿岸地域の復興事業に参画している事業者と連携。震災復興・地域連携・農業振興に貢献していく。
④旬の果物や野菜を使ったカフェ・レストランと直売所の運営…ホテルメトロポリタン仙台のシェフがプロデュース。農園と地域の旬の食材をメインとした料理やデザート、ドリンクを提供する。直売所では周辺の農業事業者が生産する野菜や同園の果物の他に米や味噌等の販売を予定。

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