日本農業の発展と農業経営の安定、農村・地域振興、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

農林中金イノベーションファンドを通じ農業情報設計社に出資=農林中金

2020年7月29日

 農林中央金庫(奥和登代表理事理事長)は28日、農林中金イノベーションファンド(*)を通じて、農業用トラクターのGPSガイダンス技術を持つ㈱農業情報設計社(北海道帯広市、濱田安之代表取締役社長)に出資したと発表した。

 農業情報設計社は2014年4月設立。世界で80万件以上ダウンロードされているトラクター運転支援アプリ「AgriBus-NAVI」や、高精度の位置情報を取得するためのGPS/GNSSレシーバーである「AgriBus-GMiniR」、既存の農業機械に後付けで自動操舵を可能にする「AgriBus-AutoSteer」等を提供するAgritechスタートアップ企業。圃場において正確な軌道でトラクターを運転することは熟練の技術を要する。トラクターの運転手は正確な現在地やどこまで作業をしたかがわからくなってしまうと農薬散布や施肥等の作業重複や未実施部分が生じ、農薬の過剰散布や雑草や病害虫の発生を招いてしまう。同社の一連の製品は、農業者に熟練技術がなくても正確に等間隔な作業を支援することが特長。

 農林中金は今回の出資の背景について、「従来のGPS/GNSSガイダンス装置や自動操舵装置は、主に導入費用の課題から大規模圃場中心の普及にとどまっていた。農業情報設計社は、ひとりでも多くの農家の方々へテクノロジーを届けたい、との理念から、中小型トラクター向けでも導入可能な低価格での製品提供を行っている。農林中金イノベーションファンドは、広くテクノロジーの恩恵普及を掲げ、農家の方々の収益改善や労働力の課題解決に取組む同社の理念に共感し、今回の出資を実施した」と説明している。農林中金は、昨年5月にJAグループが設立したオープンイノベーション組織・一般社団法人AgVenture Labのネットワーク等を活用しつつ、同社の事業展開を支援していく方針。

【農林中金イノベーションファンド】
デジタルイノベーションを通じた社会課題解決に取組むスタートアップ企業の支援とオープンイノベーション促進を目的とするコーポレートベンチャーキャピタルファンド。

keyboard_arrow_left トップへ戻る