金融庁は5月27日、令和2年度第2次補正予算の決定を踏まえ、民間金融機関に対し、資金繰り支援を要請した。
政府は、第2次補正予算を決定し、民間金融機関による無利子・無担保融資の無利子枠の拡充措置を講じるなど、事業者における資金繰り対応の強化を図っており、金融庁としては、これまでも制度融資を活用した実質無利子・無担保融資の取組状況について確認しているが、事業者に対する資金繰り支援の状況を総体として把握するためには、各政策金融機関による融資や保証協会保証付き融資と並び、民間金融機関のプロパー融資の果たす役割も重要であるとして要請したもの。要旨以下の内容を求めた。
▼金融機関が事業者の資金繰り支援に当たって返済猶予等の条件を変更した場合や新規融資を行う場合の債権の区分に関して、新型コロナウイルス感染症の感染拡大以前に正常先と認識していたが、感染拡大後に経営状況が悪化した事業者については、収束後には経営状況が回復する蓋然性が高いことや、経済対策の効果等を勘案し、感染拡大前と同一の評価とすることについて、金融庁は、金融機関の判断を尊重することとする。
▼民間金融機関における事業者支援の取組みが効果的に行われることを確保する観点から、金融庁・財務局は、各民間金融機関におけるプロパー融資残高等を分析し、政策金融機関等の融資・保証の実施状況を参照しつつ融資残高が減少傾向にないかなど、事業者への資金繰り支援の状況をヒアリングすることとする。その結果、金融機関における事業者支援の態勢について確認の必要が生じた場合は、特別検査を実施することで、金融機関の取組状況を適時に確認する。
▼急激な経営環境の変化により資本の充実が必要となった企業に対する支援において、資本性借入金(債務者の評価において、十分な資本的性質が認められる借入金として、資本とみなして取り扱うことが可能なもの)が有用であり、積極的に活用すべきことを、改めて確認するとともに、この点について、監督指針においても明確化する。