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与野党超党派議連が労働者協同組合法案テーマに総会

2020年4月1日

協同組合を通じ活力ある地域社会の実現を目的に

 自民・公明・立憲等超党派議員で組織する協同組合振興研究議員連盟(河村建夫会長、篠原孝事務局長)は3月31日、衆議院第一議員会館で総会を開催した。議員立法として今国会での成立を目指している「労働者協同組合法案(仮称)」について、法制局の法案説明、日本協同組合連携機構(JCA)等関係団体からのヒアリングが行われた。

 同法案は、「組合員が出資し、それぞれの意見を反映して事業を行い、自らが事業に従事することを基本原理とする組織」である労働者協同組合を、新たな法人形態として法制化するもの。持続可能で活力ある地域社会を実現するため、出資・意見反映・労働が一体となった組織で地域に貢献し、地域課題を解決するための非営利法人を簡便に設立できる制度が求められているが、現行法上、このような性質を備えた法人形態は存在しないため、新たな法人形態を法制化する必要があった。

 法案では、設立、管理等必要な事項を定めること等により、多様な就労の機会を創出することを促進するとともに、当該組織を通じて地域における多様な需要に応じて事業が行われることを促進し、以て持続可能で活力ある地域社会の実現に資することを目的としている。▼組合の基本原理に基づき、組合員は加入に際し出資をし、組合の事業に従事する者とする、▼出資配当は認めない(非営利性)。剰余金の配当は、従事分量による、▼組合は、組合員と労働契約を締結する(組合による労働法規の遵守)、などを定めた他、定款や役員等、総会、行政庁による監督、企業組合又はNPO法人からの組織変更等に関する規定、を設けている。

「法案の一日も早い成立を強く要望」と馬場JCA専務

 総会では、JCAの馬場利彦代表理事専務ら団体関係者からのヒアリングが行われた。馬場専務は同法案について、「私達は農協、生協、漁協、森林組合など協同組合の横断組織として、労協法案の一日も早い成立を強く要望する」と要請。「日本の協同組合には、農協法等それぞれの法律が存在しているが、労働者協同組合に係る法律はなく、その法制化は大きな課題だ。この度の労協法案によって、様々な地域課題に応じた事業の促進が図られ、多様な就労機会が創出され、持続可能な活力ある地域社会の実現につながるものと考えている」「本法案が想定する法人格の活動は、現在、企業組合やNPO法人、あるいは法人格のない任意組織等として活動しており、その規模は約10万人、約1千億円の事業を実施していると推定されている。多くは介護・福祉、子育て支援、障がい者の就労、生活支援と、様々な分野で広がってきており、労働力が不足している農林業においても取組が見られる」と現状を説明、「労働諸法を遵守しつつ多様な就労を可能とする労協法の成立が、事業・組織の選択肢を広げ、多様化していくことによって、『一億総活躍社会』づくり、『地域共生社会』づくりに協同組合として貢献できる可能性を大きく広げるものであると考えている」と訴えた。

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