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新型コロナ対策で総額16・7兆円の補正予算閣議決定=政府

2020年4月13日

農林水産関係は農林水産物の販売促進等で総額5448億円

 政府は7日、新型コロナウイルス感染症に伴う経済対策として総額16兆7058億円の令和2年度補正予算を閣議決定した。このうち、農林水産関係は「農林水産物等の販売促進、飲食業の需要喚起」などで総額5448億円(ALIC事業950億円)。農林水産関係の対策は以下の通り。

 〈農林水産物等の販売促進、飲食業の需要喚起〉 ①需要が減退している農林水産物等の販売促進(1400億円、このほかALIC事業500億円)…インバウンド需要・外食需要の減少や輸出の停滞等により、在庫が増加して滞留する等の影響が生じている農林水産物等について、販売促進の取組を幅広く支援。具体的には「牛肉、果物、水産物、花き等の販売促進を支援」「公共施設等の木造化・木質化のプロモーションを支援」「需要が減退している農林水産物等の需要を喚起するための広報活動を支援」等。

 ②〝Go To〟キャンペーンによる需要喚起〔飲食業〕(1兆6794億円の内数)…インバウンド需要の減少、外出自粛等の影響が生じている観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント事業等に対して、新型コロナウイルス感染症の収束後6か月程度の間、政府一体の取組の一環として、オンライン予約でのクーポン付与、割引食事券の発行等の需要喚起策を実施。

 〈農林漁業者・食品関連事業者の事業継続・雇用維持〉 ①入国規制による外国人材の不足等に対応した労働力の確保等(60億円)…▼農業経験を有する即戦力の人材や、農業高校・農業大学校の学生等の多様な人材の派遣・雇用を支援、▼派遣される学生等のため、農業高校・農業大学校等への研修用機械・設備の導入を支援、▼労働力不足の解消等を図るため、現場でのスマート技術の導入・実証を実施、▼水産業の人材を確保するため、水産加工業者等の即戦力の人材の雇用を支援。
 ②経営維持・再建のための資金繰りの確保(298億円)…▼農林漁業者・食品関連事業者の資金繰りに支障が生じないよう、金融機関に対して、適時・適切な貸出、担保徴求の弾力化、既往債務の返済猶予等の条件変更への対応を要請、▼農林漁業セーフティネット資金等の経営再建に必要な資金の実質無利子化・無担保化等を措置、▼食品流通事業者、外食事業者等の食品関連事業者の債務保証に必要な資金を支援。
 ③需要減退による在庫の増大等が著しい原木・水産物の一時保管(42億円)…在庫が著しく増加している等の原木・水産物について、一時保管に要する費用を支援。
 ④需要減退の影響の大きい畜産・酪農の事業継続の確保(450億円〔ALIC事業〕)…▼肉用牛の計画的出荷に伴う追加費用、肉用牛肥育生産におけるコスト低減等の取組を支援、▼在庫が著しく増加している脱脂粉乳について、業務用から飼料用等への仕向先の変更を支援、▼新型コロナウイルス感染症が発生した農場の事業継続を確保するため、代替要員の派遣を支援 等〔肉用牛肥育生産の事業継続を確保するため、肉用牛肥育経営安定交付金(牛マルキン)の生産者負担金の納付猶予を措置〕。
 ⑤次期作期を迎える品目の円滑な作付けの確保(242億円)…次期作期を迎える野菜・花き・茶等について、種苗、土壌改良等の生産に要する資材の購入、機械のレンタル等を支援。
 ⑥野菜価格安定対策・漁業収入安定対策によるセーフティネットの確保(56億円〔野菜価格安定対策〕、102億円〔漁業収入安定対策〕)…▼野菜価格安定対策について、価格下落の影響緩和対策のための資金を追加〔生産者負担金の納付猶予を措置〕、▼漁業収入安定対策について、漁業者の収入安定対策のための資金を追加〔積立金の納付猶予等を措置〕。

 〈農林水産物・食品の輸出の維持・促進とサプライチェーンの見直し〉 ①新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を踏まえた輸出の維持・促進(147億円)…家庭食の輸出増加や新規・有望市場でのシェア獲得等、輸出の維持・促進を図るため、物流に対する支援、食品製造設備等の整備・導入支援、新規・有望市場の維持・開拓に必要な商談・プロモーションの支援等を実施。
 ②国産農産物への切替えに対応した体制の整備(143億円)…国産農産物への切替えを円滑に図るため、産地と実需者が一体となって行う野菜等の加工に必要な施設整備・改修を支援。
 ③外食事業者の衛生管理の一層の徹底(10億円)…衛生管理を一層徹底するため、外食事業者が行う衛生設備の導入、店舗の改装を支援。

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