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野菜流通カット協議会=生産の効率化へ開発中の収穫機を初公開

2019年12月8日

需要・生産が増大するブロッコリーの加工・業務用対応で検討会

野菜流通カット協議会=生産の効率化へ開発中の収穫機を初公開 野菜流通カット協議会(木村幸雄会長)は3日、需要の増大にともなって作付面積・生産量が増加を続けているブロッコリーについて現地検討会を埼玉県深谷市で開催した。今後の加工・業務用向け需要に対応するため規模拡大を可能にする開発中の収穫機の実演と、生産販売に関する講演会を行った。

 ブロッコリー収穫機はヤンマーアグリとオサダ農機が協力して開発中の機体を初公開した。同収穫機はキャベツ収穫機(25馬力)をベースにしたもので、降雨後の圃場で作業できるように走行部はクローラーを採用する。収穫作業は運転者と補助者2名の3名が乗車し、①機械前方の一対の星型ホイールでブロッコリーを搬送部中央にかき込み圃場から引き上げ、茎を掴むベルトとスポンジ素材のベルトでブロッコリーの花蕾を傷つけずに搬送、②搬送部途中の上下のカッターで葉と茎を切り落とし、機械上部の作業台に送り、③台上の補助者がさらに調整して荷台のプラスチックコンテナに収容する。収穫速度は毎秒15㎝(株間30㎝で2秒に1株)から最大で同50㎝(同1秒に3株)まで試験をしている。ヤンマーアグリ㈱の宮永豊司専任部長は、今後の課題について、機械収穫に対応する品種開発、斉一な苗づくり、適期移植と活着促進、栽培管理を通じて適期の一斉収穫が可能になると思うと述べ、「機械的には一定の段階まで出来たと感じている。まだまだ全国の産地で試験する必要はあるが、できるだけ早期に商品化できるように望んでいる」と話した。

野菜流通カット協議会=開発中の収穫機を初公開 講演会は、「なぜ、いま、加工・業務用ブロッコリーなのか」の題で農研機構野菜花き研究部門の岡田邦彦領域長が報告。「ブロッコリーは市場の入荷量が大幅に増えているが青果用需要は堅調で単価は上がる傾向にあり、加工・業務用は新たな選択肢として提案したい」「生産の大規模化と人手不足が進展するなか、収穫後の作業に手間の掛かるブロッコリーは、調整・選別が青果向けよりも楽な加工・業務用に可能性がある」「当面の生産は青果用と加工・業務用の兼用になるが、国産の生鮮ブロッコリーを加工・業務用に使うトレンドが広がれば、大規模経営体を中心に加工・業務用専用生産が成り立つため、これを先取りした研究開発に取り組んでいる」と話した。このほか「国産ブロッコリーのコンビニエンスストアへの導入」(横浜市場センター㈱・豊島広之氏)、「加工・業務ブロッコリー生産現場での現状と今後の目標」(㈱アイファーム・池谷伸二氏)、「加工・業務用にむけたブロッコリーの大型化による増収可能性」(農研機構野菜花き研究部門露地生産ユニット・高橋徳氏)の講演があり、パネルディスカッションを行った。

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