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ツマジロクサヨトウのまん延防止で緊急対策を実施=農水省

2019年7月11日

ツマジロクサヨトウ|植物防疫所提供

 イネやトウモロコシに寄生する害虫(蛾)「ツマジロクサヨトウ」の幼虫〔写真、植物防疫所提供〕が今月3日に鹿児島県南九州市において国内で初めて発生が確認されたことから、農水省は9日、まん延の防止に向けた対策を緊急的に実施することを決めた。

 ツマジロクサヨトウは今年1月に中国で初確認され、その後6月に台湾と韓国で確認されたことを受け、農水省が各都道府県に注意を喚起していた。鹿児島県内では16市町での発生が確認されている(全て幼虫)。

 農水省では、「ツマジロクサヨトウ」について発生状況を調査した結果、8日時点で鹿児島県北部から徳之島にかけての飼料用トウモロコシ圃場で確認。この他、スイートコーン圃場で確認があるものの、水稲、かんしょ、さとうきび等の圃場では、現在のところ確認されていないという。同省では、まん延の防止に向けて、①発生状況の把握(国の植物防疫所と都道府県が連携して調査を全国で実施、調査でツマジロクサヨトウが確認された場合、植物防疫所が生産者の協力を得つつ初動防除を行う)、②ツマジロクサヨトウに効果のある農薬による防除の推進(専門家の意見を聴取し、主要な作物ごとに薬剤防除に使用できる農薬一覧を作成、農業者に速やかに情報提供する)、③初期のまん延防止のための防除に対する支援(防除マニュアルを策定するまでの間、植物防疫所等の指導に基づき追加的な防除を行う際に必要となる薬剤購入費等を支援)、④防除体系の確立に向けた調査・研究の推進(植物防疫所で実施、作物ごとの防除マニュアルを順次策定)、の取組を緊急的に実施する。

 農水省では「ツマジロクサヨトウの防除には、早期発見が重要であることから、疑わしい虫を見つけた場合は、都道府県病害虫防除所又は植物防疫所まで連絡を」と呼びかけている。

 【ツマジロクサヨトウ】北米~南米、アフリカ(エジプト、サハラ以南)、アジア(インド、中国、台湾、韓国、タイ、ミャンマー等)に分布。アブラナ科(カブ等)、イネ科(イネ、トウモロコシ、サトウキビ等)、ウリ科(キュウリ等)、キク科(キク等)、ナス科(トマト、ナス等)、ナデシコ科(カーネーション等)、ヒルガオ科(サツマイモ等)、マメ科(ダイズ等)などの広範囲な作物に寄生する。

 成虫は開張約37mm、雌雄で外観が大きく異なり、オスのみ前翅中央部に黄色い斜めの斑紋を持つ。終齢幼虫は体長約40mm。卵は寄主植物に塊状に産み付けられ、メスの体毛で覆われる。本種は暖地に適応した種(南北アメリカ大陸の熱帯~亜熱帯原産)であり、熱帯では年4~6世代発生する。南北アメリカでは毎年夏季に成虫が移動・分散するが、暖地を除く地域では越冬することはできない。

 幼虫が植物の葉、茎、花並びに果実を加害。若齢幼虫は葉を裏側から集団で加害し、成長すると加害しながら分散する。

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