農水・国交・環境の三省が令和2年度末の全国の汚水処理人口普及状況をとりまとめた。下水道、農業集落排水施設等、浄化槽、コミュニティ・プラントの汚水処理の普及状況を「人口普及率」で統一的に把握したもの。
これによると、令和2年度末の全国の汚水処理施設による処理が行われている人口(福島県において、東日本大震災の影響により調査不能な大熊町、双葉町を除いた集計)は、1億1637万人、総人口(同)に対する割合でみた汚水処理人口普及率は92・1%(令和元年度末は91・7%)となった。一方で、約990万人が汚水処理施設を利用できない状況となっている。特に人口5万人未満の市町村の汚水処理人口普及率は前回調査から0・8ポイント増の81・9%となったものの、全国平均からいまだに大きく後れている。処理人口を各処理施設別にみると、農業集落排水施設等によるものが321万人(汚水処理人口普及率2・5%)、下水道によるものが1億123万人(同80・1%)、浄化槽によるものが1175万人(同9・3%)、コミュニティ・プラントによるものが19万人(同0・1%)であった。
都道府県別の普及状況では、上位三位は東京都(99・8%)、滋賀県(99・0%)、兵庫県(98・9%)、下位三位は高知県(75・8%)、和歌山県(67・6%)、徳島県(64・6%)となった。
汚水処理施設の整備は、地域の実情に応じた整備方法、整備スケジュール等を設定した「都道府県構想」に基づき、各地方公共団体が効率的、効果的に実施している。三省では、「国は引き続き、汚水処理施設の未普及地域早期解消に向けた支援を推進していく」とコメントしている。