農水省はこのほど、令和3年農業構造動態調査結果(令和3年2月1日現在)を公表した。
同調査は、農業構造を取り巻く諸情勢が著しく変化する中で、5年ごとに実施する農林業センサス実施年以外の年の農業構造の実態及びその変化を明らかにするため、農業生産構造及び就業構造に関する基本的事項を把握し、農政の企画・立案、推進等に必要な資料を整備することが目的。調査対象者数は個人経営体2万8708(うち有効回収率93・6%)、団体経営体数1万1331(同70・3%)。
これによると、全国の農業経営体数は103万900経営体で、前年に比べ4・2%減少、このうち、団体経営体は3万9500経営体で、前年に比べ2・9%増加した。
団体経営体のうち法人経営体数は3万1600経営体で、前年に比べ2・9%増加した。この結果、団体経営体に占める法人経営体の割合は80%となった。また、法人経営体の内訳をみると、会社法人は2万900経営体、農事組合法人は7500経営体となり、前年に比べ会社法人は900経営体、農事組合法人は200経営体増加した。
経営耕地面積規模別に農業経営体数をみると、前年に比べ北海道では30ha以上層で、都府県では5ha以上層で農業経営体数が増加した。
農業経営体の経営耕地面積の規模をみると、10ha以上の農業経営体が56・4%を占め、前年に比べ1・1ポイント増加した。
経営耕地のある農業経営体の1経営体当たりの経営耕地面積は3・2ha(北海道30・8ha、都府県2・2ha)で前年に比べ全国で0・1ha、北海道で0・6ha増加した。
農産物販売金額規模別の農業経営体数の増減率をみると、前年に比べ1000万円以上層で農業経営体数が増加した。
農産物販売金額1位の部門別に農業経営体数の構成割合をみると、稲作が最も多く54・6%、次いで果樹の13・3%となっている。また、前年からの増減をみると、稲作が減少した一方で、その他の部門は概ね増加した。
青色申告を行っている農業経営体は38万9500経営体で、農業経営体に占める割合は37・8%となっている。このうち、青色申告を行っている団体経営体は2万8200経営体で、前年に比べ9・7%増加した。
データを活用した農業を行っている農業経営体は20万7800経営体で、前年に比べ13・8%増加し、データを活用した農業を行っている団体経営体は2万200経営体で同15・4%増加した。
個人経営体を主副業別にみると、主業経営体は22万2400経営体で前年に比べ8500経営体減少、準主業経営体は13万5800経営体で同6700経営体減少、副業的経営体は63万3100経営体で同3万800経営体の減少となった。この結果、個人経営体の減少数の約7割を副業的経営体が占める結果となった。
個人経営体の基幹的農業従事者(仕事が主で、主に自営農業に従事した世帯員)は130万2100人で前年に比べ4・5%減少。団体経営体の役員・構成員は8万2400人で前年に比べ1・5%増加した。農業経営体の常雇い数は14万7700人で前年に比べ5・8%減少した。
農業構造動態調査は、5年ごとに実施している農林業センサスの間の年次の動向を把握するための調査であるが、農林業センサスは全数調査であるのに対して、農業構造動態調査は標本調査により把握した推定値である。このため、調査結果の概要においては、参考として令和3年農業構造動態調査結果を2020年農林業センサス結果と比較しているが、農業構造動態調査結果は一定の標本誤差を含んだ数値であることに留意する必要がある。
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