東京農業大学は14日、肥満が原因となる非アルコール性脂肪肝(NAFLD)が、玄米をたべることで予防・抑制できること、その作用機序について公表した。アルファー食品㈱(島根県出雲市)との、共同研究により明らかにしたもの。
玄米は、食物繊維を多く含むことから整腸効果、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっており、その他にビタミンE、ナイアシン、ビタミンB1、マグネシウムや、脂質代謝改善能を有する特有な成分としてγ―オリザノールやGABAが含まれている。
≪研究内容≫玄米摂取が脂肪肝の発症を抑制する
遺伝的に過食による肥満を呈する脂肪肝モデル動物(Zucker fattyラット)に、基本飼料(AIN-93G)に含まれる糖源であるコーンスターチをアルファ化した白米や玄米の粉末(アルファー食品製)に置き換えたものを与えて10週間飼育。その結果、AIN-93Gを与えたラットは肥満およびNAFLDの症状を示した。白米ではわずかに効果が見られたが、玄米を餌に混ぜたラットはNAFLDを示さなかった。また、血中の肝臓の炎症を示す障害マーカーも、NAFLDで上昇し、玄米を食べたラットでは低下していた。