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サプライチェーンイノベーション大賞優秀賞にキユーピー、ヤオコー等の事例

2021年7月13日

 経産省は9日、「サプライチェーン イノベーション大賞2021」の受賞者を発表した。経産省が事務局を務める製・配・販連携協議会が、サプライチェーン全体の最適化に向け、製・配・販各層の協力の下、優れた取組を行い、業界を牽引した企業に対して、その功績を表彰するもの。今回、合計11社(共同提出含む)から応募があり、表彰選考委員会が審査した結果、《大賞(1件)》に㈱スギ薬局・ライオン㈱・㈱PALTAC(連名)、《優秀賞(3件)》にキユーピー㈱・㈱日本アクセス(連名)、日本アクセス(単独)、㈱ヤオコー、《食品ロス削減特別賞(2件)》に日本アクセス、ヤオコーが選ばれた。

【キユーピー・日本アクセス】の取組「持続可能な食品物流に向けて簡易な検品レスの取組事例」は、トラックドライバーなどの人手不足が深刻化する中、待機時間・荷降ろし時間の削減に向け、取り組みが進められていた「検品レス」について、出荷作業の負担や他物流業者の導入難度が高いことから、「車(・届先)単位」での検討を進めていたもの。事前出荷情報(ASN)を従来のパレット単位から、車・届先単位への変更、納品を定曜日配送にし納品日を集約、着側でカテゴリごとの荷揃えに合わせて荷受けも格納フロア・ゾーンを集約するなどの工夫などにより、従来納品当たり30分の検品作業時間が6分に、納品エラーがゼロになるなどの効果があり、ドライバーの労働環境の改善、より多くの商品の届け・受け取りが可能になった。

【ヤオコー】の取組「サプライチェーン最適化活動事例」では、鮮度管理基準について、先行検証事例の結果や、システム的対応可能との判断から、センター在庫取扱い全商品対象とし、ドライ食品、酒部門の全カテゴリーで「1/3ルール」を「1/2ルール」に変更。物流センターでは若干の在庫日数増は発生したものの、鮮度撤去の作業数の減少(出庫期限切れによる商品撤去作業の件数)、イレギュラー入庫の依頼などが減少した。また、納品車両の待機時間低減活動やバース予約受付管理システムの導入といった配送効率化の取り組みを行った。

*製・配・販連携協議会…メーカー(製)、中間流通・卸(配)、小売(販)の協働により、サプライチェーン全体の無駄を無くすとともに、新たな価値を創造する仕組みを構築することで、産業競争力を高め、豊かな国民生活に貢献することを目的に平成23年5月に設立された協議会。令和3年7月9日現在、52社が協議会に参加。

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