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全森連と農林中金が教育ツール「林業安全教育360°VR」の第二弾を制作

2021年6月2日

 全国森林組合連合会と農林中央金庫は1日、教育ツール「林業安全教育360°VR(バーチャル・リアリティ)」の第二弾を制作したと発表した。

 「林業安全教育360°VR」は、ゴーグル型の専用機械を装着し、林業現場におけるよく発生する事故事例を実写VR化したもの。林業において「何が・どうしたら・どのような状況が危険か」を体験者が理解できるまで何度も安全にトレーニングができる教育ツール。昨年度は、他人が伐倒した木による激突事故を疑似体験できる『チェーンソー作業 他人伐倒』編を制作した。 

 今回制作したのは、チェーンソー作業の中で、よく発生しうる事象と事故を再現した内容。誤ったかかり木処理による事故を再現し正しい処理方法について紹介した『かかり木処理』編と、枝払い・玉切り・伐倒など様々な場面で発生するキックバックについて解説した『キックバック』編。新規就労者向けの研修だけでなく、日頃の現場の労働安全講習にも使うことが出来る(動画1本あたり約5分)。ゴーグル型の専用機械は最大14台まで貸与が可能。

 全森連と農林中金では、「同ツールを用いて、森林組合系統をはじめとした林業従事者のみなさまに、林業現場において何が・どのような状況が危険かを疑似体験してもらい、林業現場における危険な行為についての有効な教育ツールとなれば幸い」「林業の労働安全性向上や新たな担い手の確保と森林整備等の取組みを通じた、森林・林業のSDGsの実現に向けて貢献していく」とコメントしている。

 林業における産業別死傷年千人率(千人あたりの死傷者数)は、全産業平均の約9倍となる20・8人(2019年度時点)と著しく高い水準にあり、林業従事者の確保のためにも労働安全性の向上は必須の課題とされている。こうした環境を踏まえ、全森連と農林中金では2015年度から林業の労働安全性向上を目的とした「林業労働安全性向上対策事業」(安全装備品の購入費用助成)を実施。昨年度、同事業を拡充し、従来の安全装備品の購入費用助成に加え、「林業安全教育360°VR」を導入した。

※詳報は日刊アグリ・リサーチに掲載いたしております。

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