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JAバンク・農林中金等が郵政民営化委員会の意見に見解

2021年5月7日

 JAバンク・JFマリンバンク・農林中央金庫は、「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見」についての見解を以下のように公表した。

 令和3年4月22日、郵政民営化委員会から「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見」(以下「意見書」)が公表されました。
 私どもはかねてより、郵政民営化の本来の目的は、国際的に類を見ない規模に肥大化した郵貯事業を段階的に縮小し、将来的な国民負担の発生懸念を減ずるとともに、民間市場への資金還流を通じて、国民経済の健全な発展を促すことに他ならないと主張して参りました。また、その過程においては、改正郵政民営化法の基本理念に掲げられているとおり、郵政民営化が地域社会の健全な発展および市場に与える影響に配慮しつつ、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するための措置を講じることが不可欠であると主張してきました。
 しかしながら、改正郵政民営化法の附帯決議(以下「附帯決議」)では日本郵政が保有する金融二社の株式のできる限り早期の全株式処分に向けて、日本郵政に具体的な説明責任を果たすよう努めることが求められているにもかかわらず、民間金融機関との間での公正な競争条件の確保の方法を含め、その道筋は依然として示されておりません。
 そうした中で示された今回の「意見書」では、日本郵政に対して、「金融二社の全株式処分を目指した基本的な考え方に基づき」、令和3年度からの新たな中期経営計画の期間において「金融二社株式を50%処分した段階で、全株式処分に向けた方針やロードマップを明らかにする取組が求められる」とされています。
 私どもとしては、日本郵政が附帯決議で求められた説明責任を果たすため、今回の「意見書」で求められた取組に基づき、ゆうちょ銀行株式の全株式処分に向けた、具体的な実行計画が示されることが必要と考えております。
 ゆうちょ銀行がその計画を実行する中で、新規業務を検討する場合には、他の金融機関等との間の適正な競争関係と利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう、配慮することが求められます。加えて、今回の「意見書」でも指摘されているように、投資信託の販売における不適切な取扱いやキャッシュレス決済サービスを通じた不正利用問題も踏まえ、既存業務も含めて、顧客本位の業務運営やコンプライアンス管理が徹底されるための十分な体制整備が不可欠であると考えます。
 なお、今回の「意見書」では「金融二社の株式の保有割合が50%以下になれば、金融二社の新規業務規制が許可制から事前届出制に移行し、経営の自由度が増す」と指摘されています。一方、改正郵政民営化法では、事前届出制へ移行した際には、ゆうちょ銀行には他の金融機関等との間の適正な競争関係と利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう、特に配慮することが求められており、私どもとしても、こうした改正郵政民営化法の求めを十分踏まえることが必要と考えます。
 一方で、コロナ禍の経験を踏まえると、ゆうちょ銀行と私ども民間金融機関は、オンライン、非対面等の新しい生活様式の模索等の社会的課題解決という観点から協業・協働できる領域は拡大しており、お互いの強みを活かした相互補完が可能と認識しております。
 特に、JAバンク・JFマリンバンクは日本全国の農山漁村に広く店舗を展開しており、農業者や漁業者等への金融サービスの提供を通じて、わが国の農林水産業や地域社会・経済を支えております。このため、全国ネットワークを通じて各地域で幅広いサービスを提供している郵便局とは、農林水産業の成長産業化や地域社会の維持・発展に向け、連携・協調できる部分が存在すると考えております。
 こうした連携・協調が実を結ぶためには、今回の「意見書」の内容も踏まえて、完全民営化への道筋が具体的に示され、その確実な実行により、公正な競争条件が確保された下で、ゆうちょ銀行と私ども民間金融機関が共存し、安定した地域の金融システムを維持することによって、地方経済・地域社会を発展させていくことが重要であると考えます。

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