農林中央金庫は27日、「第4回『世代をつなぐ食』その実態と意識」調査結果を発表した。
農林中金では「世代をつなぐ食 その実態と意識」(2004年)から、各世代を対象に食に関する調査を継続して実施、今年は、首都圏に居住する30~59歳の母親400人を対象に、「食」に関する意識と実態を探るため調査を行った(調査期間21年3月18~28日)。同じく、母親を対象に実施した過去3回の調査(第1回・04年、第2回・10年、第3回・15年)とも比較しながら、この間の意識の変化も探った。また今年は、コロナ禍における食事の変化や食における社会的課題に関する質問を新たに設けた。
調査の結果、「コロナ禍やSDGs意識の普及・浸透等の影響で、家庭における食生活に、これまでの調査とは明らかに異なる大きな傾向的変化が起きている」ことが示された。以下は調査概要。
《食生活の実態》新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言下で、家庭での食事の変化の中で、「外食の機会」が「短くなった・減った」(82・3%)が圧倒的に多い。それに対して「長くなった・増えた」が多いのは「家族全員での食事の機会」(43・5%)、「テイクアウトの機会」(42・3%)、「食事時間」(32・3%)、「家族の調理への参加」(31・5%)、「料理のレパートリー」(26・8%)など、多岐にわたる項目があがっており、「コロナ禍で家庭の食事は充実した面もみられる」と分析している。また、家族揃っての朝食が「ほとんどない」と回答した母親が半数近く(47・0%)で、継続的な減少傾向が続いているのに対し、夕食では週に「6~7回」(前回12・8%→今回18・0%)が増加、朝食とは逆の傾向を示している。食事の時間も、朝食は短く(前回平均22・3分→今回19・7分)、夕食は長く(同45・3分→同57・7分)なっている。
《食に関する社会課題への関心》「食品ロス」(74・3%)が最も高く、自身が取り組んでいることは、「エコバッグを使用する」(94・3%)、「ごみの分別は自治体の指定を守る」(82・8%)、「食品は使い切る」(77・8%)などがいずれも高くなった。年代別でも、いずれの年代でも「エコバッグを使用する」が最多だが、30代(88・7%)では唯一8割台と低めで、他の項目も30代では低いものが多く、年代が上がるほど高い割合の項目が多くなっていく傾向だった。
なお、この調査の詳細とともに過去の調査報告書は、農林中金ホームページ(https://www.nochubank.or.jp/efforts/research.html)に掲載されている。
調査結果より(一部抜粋)
○我が家の味の代表は「カレー」「ハンバーグ」(ともに9.8%)
○毎日の食生活で重視していることは「家族の好み」(73.3%)が第一。前回トップの「栄養」は減少し3位
○出来合いのお惣菜は肯定的な意見が多数、比率も大幅に増加
○食まわりの“しつけ”は「食べ物を粗末にしない」(79.3%)が3回連続トップ