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水稲スマート農業導入の経営効果実証へPJ開始=宮城県農業法人協会と農林中金仙台支店

2021年3月9日

 宮城県農業法人協会と農林中央金庫仙台支店は3日、水稲農業におけるスマート農業導入の経営効果を実証するプロジェクトの発足式を開催した。農業法人協会が主体となりスマート農業にかかる実証実験を行うのは全国で初めて。スマート農業の導入が農業経営に与える費用対効果を検証する。

 他の水田作におけるスマート農業導入の実証実験では、設備費の増加が大きく必ずしも所得増大に繋がるわけではないという結果が出ている。今回の実証実験は農業法人2社 (角田市・㈲角田健土農場、大郷町・㈲薬師農産)の圃場、各10haを対象とし、スマート農業導入費用と収益性を、労務費、ドローンの操縦者にかかるコスト、バッテリー費用なども含めて比較する。ドローンを購入した場合と、ドローンを購入せず同作業を委託した場合、ドローンを活用しない場合に分けて分析を行い、農業者の導入判断に有用な情報を蓄積していく。

 対象圃場ではドローンを用いた空撮により生育状況をデータ化する。空撮データを基に可変施肥を行い、未実施の圃場と収量の変化を比較する。

 発足式で宮城県農業法人協会の日野雅晴会長は「協会ではこれまで研修やセミナーなどのインプットによって、会員の経営力等向上に取組んできた。これからは本件のように地域の農業者や関係団体への情報発信などのアウトプットも行う」と述べた。農林中央金庫仙台支店の徳永雄亮支店長は「実証実験を通じ、生産者を金融面のサポートだけではなく、さまざまな視点から支えていきたい」と話す。

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