西松建設㈱(高瀨伸利社長)は2日、東北大学(大学院工学研究科、金子俊郎教授)との共同研究により、施設園芸や植物工場の水耕栽培で使用される培養液の衛生管理方法の1つとして、プラズマによる培養液中の微生物(かび)の増殖を抑制する殺菌効果を確認した、と発表した。
同社は、環境監視クラウドシステムOKIPPA_Greenや植物工場等の施設園芸事業に関わる研究開発に取組んでいる。
かびが増殖した培養液(植物工場施設で14日間、植物栽培に使用した培養液)の中にプラズマを照射し、酸化力の高い活性種(ヒドロキシラジカル、過酸化水素、亜硝酸イオン)を発生させることで、水耕栽培で主に問題視されている根腐病のかびの増殖抑制効果と培養液中のかび数を100分の1以下まで抑えることができることを確認した。
また、プラズマ照射により培養液中に発生する活性種の一つである過酸化水素は、高濃度(1000μM以上)で培養液中に存在すると植物の根に接触し、生育を抑制。今回、培養液中のかびの増殖抑制効果が得られた条件において、過酸化水素の濃度は植物の生育抑制の影響が出る5分の1の200μMとなり、植物の生育への影響は少ないことを確認した。