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家畜のふん尿から新しいエネルギーを創出する技術を開発=古河電工

2020年12月11日

 古河電気工業㈱(小林敬一代表取締役社長)は、温室効果ガス削減に向けて北海道大学との共同研究を進めてきたが、このほど開発したメタル・ポリマーの製造・加工技術を用いた新しい触媒(=ラムネ触媒*)の固定技術を応用し、家畜のふん尿から得られる温室効果ガスをLPガスに変換する技術の開発に成功したと発表した。

 この技術を用いて、家畜のふん尿から得られる二酸化炭素とメタンから貯蔵・輸送しやすいLPガスを創出することで、一般家庭や酪農場などの産業の現場でエネルギーとして用いることができるほか、災害時用のエネルギーとしての利用も可能になるという。

 今回の開発では、畜産業において家畜のふん尿から得られるバイオガスに着目、高効率で再資源化できる技術として、同社が開発したラムネ触媒を使用することで、従来、活性が低く短時間しか持続しなかった反応を大幅に改善した。

 今後は2023年までに小型試験機による実証、2025年までにフィールド実証試験を行い、2030年の実用化に向けて取組む方針。

*ラムネ触媒…古河電工は今回、触媒金属の固定技術を応用し、同社が開発したニッケルを利用した「ラムネ触媒」と名づけた触媒の反応を大幅に改善することに成功。この触媒は従来の触媒の課題とされてきた耐凝集性・耐コーキング性を持ち、バイオガスから合成ガスが得られるドライリフォーミング反応において、高活性かつ長寿命な触媒。

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