㈱NTTドコモは、新潟県佐渡島で眼鏡型ウェアラブル端末「スマートグラス(AceReal One)」を活用して、佐渡島特産「おけさ柿」の栽培を技術指導員が遠隔から指導する実証実験を8日から開始した。
具体的には、剪定などの作業時に、ほ場にいる現地作業員がカメラ、マイク、スピーカー内蔵のスマートグラスを装着し、送信した映像を離れた場所にいる熟練者(技術指導員)が見ながら音声で指示。指示内容は、現地作業員のスマートグラスに映し出して剪定要否などの指導を行うもの。
あわせて、経験の浅い農業従事者の早期の技術取得をめざし、熟練者の技を3D映像で記録する実証実験も実施する。熟練者の果樹の剪定作業などの様子を3Dカメラで撮影し、熟練の技を動画マニュアルとして記録。3D動画は、VRゴーグルで閲覧することで平面では表現・体現されない奥行きが体感でき、新規参入者の技術習熟の早期化を支援する(動画編集等は㈱AGRI SMILEが実施)。
「AceReal One」の活用と3D動画撮影による技術伝承を組み合わせた農業支援は、全国で初の取り組みという。
佐渡島では、高齢化により農業の担い手が減少する後継者問題を抱えているため、新規参入者や臨時の農業従事者に栽培技術を伝えていくことが重要課題とされているが、今回の取組みによって、栽培技術を「見える化」し、経験や勘に頼らない農業をめざす。実証実験は、農水省の「令和2年度スマート農業実証プロジェクト」の公募で採択され、新潟県を代表機関とするコンソーシアムのプロジェクト内で実施する。