農水省はこのほど、「令和2年度病害虫発生予報」第1号を発表した。水稲では種子消毒の適切な実施、麦類の赤かび病について適期防除の実施を呼びかけている。
具体的に、水稲については、「昨年、いもち病、もみ枯細菌病、ばか苗病等の種子伝染性病害の発生が多かった地域では、種子消毒等を的確に実施し、健全な苗の育成に努めること、特にいもち病及びばか苗病については、一部の薬剤に対して耐性菌が発生していることから、都道府県の発生予察情報等を参考に効果的な薬剤による防除又は温湯による処理の実施を」と呼びかけている。
麦類については、「赤かび病は、感染しやすい時期を捉えた防除が重要であり、麦の種類ごとに防除時期が異なる。昨冬から今春にかけて気温の上昇が大きかった地域では、麦の生育が当初の予測よりも早まる。既に、出穂が早まったほ場もあるので、都道府県の発生予察情報等を参考に、地域ごとの防除適期を確認して的確に防除の実施を。防除適期に降雨が続く場合は、降雨の合間に防除の実施を」としている。
発生が「多い」と予想される病害虫と地域は以下の通り。
【野菜】〔いちご〕アザミウマ類=九州。アブラムシ類=北九州。ハダニ類=南関東、中国、北九州。〔キャベツ〕アブラムシ類=南関東。菌核病=南九州。〔たまねぎ〕アザミウマ類=四国、北九州。べと病=近畿、中国、四国、北九州。〔トマト〕灰色かび病=北関東。〔なす〕灰色かび病=北関東。
【果樹・茶】〔果樹共通〕カメムシ類=近畿、九州。〔かんきつ〕ハダニ類=南九州。かいよう病=中国。〔もも〕せん孔細菌病=南東北。〔りんご〕黒星病=北海道、東北。〔茶〕カンザワハダニ=北九州。
なお、気象庁の向こう1か月の予報(4月16日付け)では、気温は北日本を除いて平年並みか低いと予想。また、降水量は西日本で平年並みか少ないと予想されている。