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農林中金支援の福島・大笹農場が養鶏事業を開始

2020年4月24日

耕畜連携のモデルへ地域の農業振興・地域活性化

 農林中央金庫がアグリビジネス投資育成㈱(アグリ社)と連携してファンドを出資した㈱大笹農場が今月18日に1万8千羽の入雛を行い事業を開始した。

 農林中金は、大笹農場が設立された2017年7月当初から、ブロイラー農場開設にかかる事業計画策定支援や行政との調整等、被災地農業者支援にかかる補助金の活用を含めた支援を実施。また、2019年2月にアグリ社と連携し創業資金等30百万円の出資を行う等のサポートを行ってきた。

 大笹農場の事業地である福島県双葉郡葛尾村は、東日本大震災・原発事故の影響が今なお残っており、震災後村内の養鶏農家4戸すべてが廃業を強いられ、養鶏業の存続が危ぶまれていた地域だったが、ブロイラーの生産・加工・販売を営む伊達物産㈱が2018年10月に直営農場を開設、養鶏業の再興を果たした。同社は、伊達物産と連携のうえ葛尾村で2番目となるブロイラー農場を2か所開設し事業を始める。最終的には2農場合わせて飼育羽数約10万羽まで規模拡大し、従業員4名の雇用を予定している。

 大笹農場の代表は、うつくしまふくしま農業法人協会会長を務める高橋良行氏。会社設立にあたり高橋代表の2人の子息が葛尾村に移住し新規就農する等、同村の養鶏業再興を担っている。また、同社の事業開始は帰還村民の雇用創出に繋げることを計画している。同社の事業は、葛尾村を含む近隣農家が栽培した飼料用米を仕入れ、近隣農家等に鶏糞灰肥料を販売する循環型農業。耕畜連携のモデルとして地域の農業振興と地域活性化に繋げる取組みとなる。

 農林中金では「引続き地域農業の振興に向けた取組みを支援していく」とコメントしている。

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