㈱クボタ(北尾裕一社長)は20日、インドのトラクタメーカーであるEscorts Limited(=EL社)に出資すると発表した。
インドのトラクタ市場は台数ベースで世界最大規模であり、今後も市場の拡大が見込まれるという。現在インド市場はローカルメーカーが主体となっており、ローカル各社は外資メーカーとの提携関係を強化している。クボタは2008年にクボタ農業機械インド㈱(=KAI)を設立してインド市場に参入。2019年2月にEL社とトラクタ製造の合弁会社を設立し、今年7月から量産を開始する予定。
クボタでは「今回の出資により、両社の協力関係をさらに深め、お互いが持つ強みを生かして、開発、生産、販売、物流、部品調達など事業の幅広い面でシナジーを発揮し、インド市場における存在感を高めていく」「インドで求められる安価で高品質なトラクタの市場は、世界的にも広がりつつある。EL社の部品調達網やコストダウン力を活用することで、グローバルな市場ニーズにも応えていく」等とコメントしている。
クボタはEL社の新株発行により10%を取得する(出資金額は約160億円)。今後は、必要な手続きを経た上で、今年6月に出資を完了する予定。なお、クボタではEL社との協業をより一層高めるため、今回の出資と合わせて、KAI社の株式の40%をEL社へ売却。将来的には、EL社と共同の研究開発拠点を設立することで、市場適合性の高い製品の開発と開発期間の短縮を図っていく方針。
《EL社》
▽設立年…1944年
▽事業内容…農業機械、建設機械、鉄道部品の製造販売
▽売上高…約1000億円(2019年3月期決算)
▽従業員数…1万1000名(含非正社員、2019年12月現在)