特定重度疾病共済「身近なリスクにそなエール」を新設等
JA共済連(柳井二三夫代表理事理事長)は、4月1日から、「生命総合共済」と「火災共済」の仕組改訂を実施する。
生命総合共済の仕組改訂
特定重度疾病共済「身近なリスクにそなエール」を新設…三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)に加えて、三大疾病以外の「心・血管疾患」「脳血管疾患」「その他の生活習慣病(糖尿病・肝硬変・慢性じん不全・慢性すい炎)」まで幅広く保障。「がん」「心・血管疾患」「脳血管疾患」「その他の生活習慣病(糖尿病・肝硬変・慢性じん不全・慢性すい炎)」の4つの区分ごとに、共済期間を通じてそれぞれ1回、最大で4回支払われる。薬剤・通院・リハビリ等の継続的な治療による様々な経済的負担に備えられるよう、まとまった一時金で受け取ることができる。
指定代理請求特約を仕組改訂…共済金請求時の利便性を高める観点から、指定代理請求人として指定できる人の範囲を拡大する。被共済者とは離れたところに居住していても、3親等内の親族であれば、共済金等を代理で請求することが可能。また、被共済者と同居し、または生計を一にしている被共済者の「内縁関係者」、「同性パートナー」等に該当する人も、共済金等を代理で請求できる。令和2年3月31日以前に締結した共済契約(既契約)についても、令和2年4月1日以後に指定代理請求人を指定・変更する場合は、拡大した範囲の人を含めて指定できる。
火災共済の仕組改訂
JA共済では、平成31年4月の建物更生共済の改訂により、水道管凍結修理費用共済金の新設および失火見舞費用共済金の拡充等の改訂を行ったが、火災共済についても水道管凍結修理費用共済金の新設および失火見舞費用共済金の拡充を実施する。
水道管凍結修理費用共済金を新設(共済の対象が建物の場合)…専用水道管の凍結によって損害が発生した場合、専用水道管の修理にかかった費用を保障。パッキングのみに損害が生じた場合や火災共済金の支払事由に該当した場合は除く(1事故につき10万円限度)。
失火見舞費用共済金を拡充…火災、破裂または爆発により、他人の所有物に損害を生じさせてしまったときに、見舞費用として支払う失火見舞費用共済金について、1被災世帯あたりの支払額を、現行の20万円から50万円に引き上げる(1事故について、共済金額の20%限度)。
また、令和2年4月1日に施行される改正民法(債権法)に対応するため共済約款の改訂を行う。主な改訂内容は次の通り。
①錯誤の効果の変更(民法第95条)【生命共済、傷害共済】…錯誤の効果が「無効」から「取消し」に変更されることに伴い、年齢および性別に誤りがあった場合の取扱いを「取消し」に変更。
②時効の起算点の明確化への対応(民法第166条、保険法第95条)【共済種類共通】…時効の期間が始まる時期について、「(権利を)行使することができる時から」であることを明記。
③債務不履行による損害賠償責任の明文化への対応(民法第415条)【損害系共済】…債務不履行について、債務者に帰責事由がない場合は、債務者が損害賠償責任を負わないこと、帰責事由がないことの主張・立証責任は債務者にあることの明文化を踏まえた規定に整備する。
④定型約款に関する規定への対応(民法第548条の2~民法第548条の4)【共済種類共通】…新たに定められた定型約款に関する規定に対応した共済約款の変更の取扱いにかかる規定とする。
⑤共済期間の初日を令和2年3月31日以前とする共済契約への適用…上記①~③については、共済期間の初日を令和2年3月31日以前とする共済契約には遡及適用はしない。④については、共済期間の初日を令和2年3月31日以前とする共済契約にも、令和2年4月1日から適用する規定に準じて取り扱う。