農協改革は「引き続き自己改革の取組を促す」
政府は21日、臨時閣議を開き、「規制改革実施計画」等を閣議決定した。同計画は、経済社会の構造改革を進める上で必要な規制の在り方の改革を推進することを目的としたもの。農協改革については「引き続き自己改革の取組を促す」としている。
新たな計画は、規制改革推進会議の第4次答申(平成30年11月)、第5次答申(令和元年6月)を踏まえ、「農林」「水産」「医療・介護」「保育・雇用」「投資等」「その他重要課題」及び「行政手続コストの削減」を改革の重点分野としている。
「農林」分野では、農業の成長産業化に向けて、生産性向上のための先進技術導入や生産資材・設備のコストダウンを図るとともに、新規就農のための環境づくりを行う観点から、▼ドローンの活用を阻む規制の見直し、▼高機能農機・除雪機の活用を阻む規制の見直し、▼若者の農業参入等に関する課題、▼農地利用の集積・集約化を通じた農業競争力強化のための規制改革、▼農協改革の着実な推進、▼肥料取締法に基づく規制の見直し、▼畜舎に関する規制の見直し、▼農作物栽培施設に係る立地規制の見直し、について重点的に取り組む。
このうち、〈農協改革の着実な推進〉では、「農協改革集中推進期間の終了後も、自己改革の実施状況を把握した上で、引き続き自己改革の取組を促す」としており、実施時期は「令和元年度以降、継続的に措置」とされている。
〈ドローンの活用を阻む規制の見直し〉では、農業用の最新型ドローンの普及に向け、農水省が中心となり、〝最新型ドローン導入〟〝導入促進のための地方説明会の開催回数〟〝『ドローン用農薬』と位置付けられる農薬品目数〟の目標値などを盛り込んだ「総合的な農業用ドローン導入計画(仮称)」を策定。また、農水省は民間事業者のニーズをくみ取りながら農業用ドローンの普及を拡大するために、経産省の協力も得て官民協議会を立ち上げ。
〈畜舎に関する規制の見直し〉については、農水省は、国交省の協力も得ながら、市街地から離れて建設される畜産業の用に供する畜舎等の利用の実態に応じた、畜舎等の安全基準等についての検討委員会を立ち上げ、畜舎等の利用実態、建築コストの増加要因、海外の規制等を調査した上で、畜舎等を建築基準法の適用の対象から除外する特別法について検討を行い、その結果を踏まえ、所要の法律案を整備する。