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2020年大学発ベンチャー企業は2901社と過去最高=経産省

2021年5月24日

 経産省はこのほど、「令和2年度大学発ベンチャー実態等調査」の結果を公表した。2020年10月時点で大学発ベンチャー数は19年度に比べ335社増の2901社と過去最高の伸びとなった。同調査は、経産省が大学発ベンチャーの設立状況を定点観測するとともに事業環境やニーズ等を調査し、その成長に寄与する要因を分析することで、今後の政策展開に活用するために実施しているもの。

 それによると、大学別ベンチャー企業数は前年に引き続き東京大学が326と最も多いものの、京都大学(227)、大阪大学(179)、筑波大学(146)、東北大学(142)等他大学の伸びも目立つ。経産省では、多くの大学がベンチャー創出に力を入れていることがうかがえる、としている。

 また、業種別に見ると、昨年度に引き続き、「バイオ・ヘルスケア・医療機」が906件と最も多く、次いで「IT(アプリケーション、ソフトウェア)」(867件)、「その他サービス」(861件)と続いており、これらの業種は他業種に比べて前年度比の伸び率も最多となった。
 新型コロナウイルスの影響については、特に資金調達(投資)でネガティブな影響が見られ、資金調達(投資)を予定していた企業では、コロナ禍により「調達先候補との接触が難しくなった」と回答した企業が99社と多く見られたほか、「調達検討が止まった」(51社)、「調達予定が見送られた」(48社)、「予定調達額が下がった」(37社)との回答が見られた。一方で融資に関しては「新規調達が決まった」企業が86社と、投資を通じた資金調達と比較するとポジティブな影響も見られた。また、人材面の影響については「予定通り採用した(コロナ禍の影響はなかった)」企業が100社とあることから、経産省ではコロナ禍によるネガティブな影響は資金調達ほどは大きくない、と分析した。

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