農林中央金庫は、農業法人向け投資育成ファンドを運営するアグリビジネス投資育成㈱(アグリ社)と連携し、㈱又吉コーヒー園(沖縄県国頭郡東村、又吉拓之代表取締役)に対して、新型コロナウイルス感染症を対象とした案件としては全国第1号となる、復興ファンドを通じた出資(出資額8百万円)を行うことを決定した。
農林中金では、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大による農林水産業の経営基盤に対する甚大な被害状況に鑑み、昨年3月から同感染症により被害を受けた農林水産業を営む法人を復興ファンドの対象に追加した。
農林中金によれば、今回の出資先である又吉コーヒー園は、「沖縄県産コーヒーで東村を元気にしたい」という想いのもと、オンリーワンのコーヒー園を目指し、独自技術によるコーヒーの6次化を行うほか、収穫・焙煎体験を行っている。県産コーヒー振興に向けた地道な取組みを行う中、新型コロナウイルス感染拡大による県内入域客数の減少や、各種イベント中止による影響を受けている。
今回の復興ファンドを通じた出資について、農林中金では「又吉コーヒー園の沖縄県産コーヒー振興にかける想いに共感するとともに、同社事業の将来性を高く評価し、本件ファンドを通じた出資を行い、又吉コーヒー園の中長期的な財務基盤の安定化と、新型コロナウイルスからの復興をサポートする」と説明。また、又吉コーヒー園の持続的な経営活動を支援するために、同社の販路拡大に向けたサポートを実施、今年1月には県内リゾートホテルとの取引成約に至ったという。
なお、農林中金ではコーヒー収穫後の加工過程で生じる作業負荷を軽減するための機械設備の導入を支援し、他の生産者との共同利用の枠組みを進めていくなど沖縄県産コーヒーのさらなる振興に向け、今後も県内コーヒー生産者間の連携強化を後押する方針。
※詳報は日刊アグリ・リサーチに掲載いたしております。