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3月以降に出荷可能な高糖度晩生カンキツ新品種を育成=農研機構

2020年12月24日

 農研機構は、極めて高糖度で風味に優れ、3月以降に出荷できる晩生カンキツ新品種「あすき」を育成した。今月から苗木の流通が開始される予定。

 「あすき」は、成熟期が、ほとんどの国産高糖度カンキツ品種の収穫期が終わった後となる2月下旬から3月。果実をナイフでカットすると、果肉からの流出(ドリップ)量は、現在カットフルーツとして利用されているスイートオレンジと同じくらい少なく、カットフルーツとしての利用適性に優れる。また、オレンジ香を有する良食味の育成系統「カンキツ興津46号」と中生の高糖度品種「はるみ」の交配により育成した品種。農研機構によれば、糖度が高く、食味の良いカンキツ品種は数多く育成されてきたが、1~2月に成熟するものが主流で、3月以降に成熟し、かつマルチ栽培等特別な栽培管理をしない露地栽培においても高糖度果実を安定して生産できる品種はほとんどなかった。また、近年、生鮮果実の消費が停滞する中で、カットフルーツとしてパック詰めされた商品の販売は伸びており、外食等業務用として加工しやすい果実の需要が高まっているが、近年育成された良食味カンキツの多くは、カットした果肉からの果汁のドリップが多く、商品性を損なうことが問題となっていた。

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