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農林中金仙台支店が「ロシア向け食品輸出リモートセミナー」を開催

2020年12月7日

 農林中央金庫仙台支店は3日、「みやぎ東北貿易促進コンソーシアム」(*以下、コンソーシアム)と協力し、「ロシア向け食品輸出リモートセミナー」を開催した。新型コロナウイルス感染予防のため、JAビル宮城から、北海道、青森、秋田、岩手、山形、福島の各会場に向けて、オンラインによるライブ配信形式で行われ、北海道・東北において農林中金および岩手県信用農業協同組合連合会と取引のある食品関連事業者など約80名が出席した。

 セミナーでは、近年、日本からの輸出額が増加傾向にあり、コンソーシアムが力を入れているロシア向け食品輸出をテーマに、コンソーシアムの会員である農林中金、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)、センコン物流㈱(宮城県名取市)が講演を行った。

 農林中金営業企画部リサーチアンドソリューショングループ部長代理の上杉清恵氏からは、政府が掲げる輸出目標5兆円の達成に向けた省庁間の役割・組織体制や農水省の新たな輸出政策、農林中金の輸出実績や取組事例が紹介された。

 ジェトロ農林水産・食品課調査チーム(欧州・ロシアCIS地域担当)の菱川奈津子氏からは、2010年以降、日本食ブームや訪日客の増加を背景に、幅広い品目で増加傾向にある日本産食品の輸出事情のほか、ロシアの消費動向や為替動向、独自の認証制度について解説が行われた。

 センコン物流国際事業部のクハルチョク・クリスティーナ氏からは、「ロシアにおける日本食マーケット事情」と題して、20年に及ぶ同社のロシア向け輸出の経験を踏まえた、現地のスーパーマーケットや日本食レストラン(焼肉、居酒屋、カラオケバーなど)の実情や、1年以上の賞味期限や高級感のあるパッケージデザインなど、現地で好まれる商品の特徴について説明が行われた。

 農林中金では、農林水産物や食品の輸出支援の取組みを行っており、今回のセミナーもその一環。農林中金東北営業統括部長の灘通広氏は、「東北のすばらしい農林水産物・食品が世界に広がるお手伝いをしたい」と語った。

*【みやぎ東北貿易促進コンソーシアム】
2008年、センコン物流㈱、住友商事東北㈱、三井物産㈱東北支社が発起人代表となり、ロシアへの輸出ノウハウを共有することで、経済成長を続けるロシアへの輸出拡大を目指し、「みやぎロシア貿易促進コンソーシアム」を設立。その後、2011年に活動対象国に「中国」「香港」「マカオ」「台湾」などの中華圏を加え、会の名称も「みやぎ東北貿易促進コンソーシアム」に変更。以降、東北の企業のロシアおよび中華圏におけるビジネス展開を推進し経済交流活動を促進するため活動。会員はジェトロ、(一社)東北経済連合会、宮城県、東北大学、金融機関などで構成。

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