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「三ヶ日みかん」GABAの機能性受理、W表記は生鮮食品初の事例

2020年10月22日

 静岡・JAみっかびが提出していた温州ミカンの機能性成分、GABA(γ―アミノ酪酸)による血圧を下げる効果の機能性表示の届出が受理され、消費者庁のホームページで公開された。

 JAみっかびによると、今回の届出により機能性成分「β―クリプトキサンチン」による骨の健康維持の機能表示と併せ、2機能を同時に表記できるようになり、2機能を表記できるよう制度が変更されてから、生鮮食品では初のW表記になるという。11月上旬の早生ミカンから出荷箱に表記して出荷される。

 2017年から「三ヶ日みかん」に含有される成分について、静岡県のAOIプロジェクトが支援し慶應義塾大学が調査、GABAの成分量が高いことが明らかにされている。農研機構が公開している研究レビューによると、GABAは1日に12・3㎎以上摂取すると血圧改善の効果があるとされている。同JAでは、機能性を表示するために三ヶ日みかんのGABAの含有量を分析した結果、品種、園地条件、収穫や出荷の時期、大きさにかかわらず、100g当たりで12・3㎎以上と表記に十分な成分を含んでいることを確認した。機能性表示食品制度は2015年4月に開始。同JAでは、β―クリプトキサンチンに関する研究成果を活用し、同年産から生鮮食品で初めて機能性表示を始め、「骨の健康に役立つ」と印刷しPR。今年産からは、骨に加えて血圧に対する効果も「血圧が高めの方の血圧を下げる」などと表記して出荷する。

 同JAの井口義朗組合長は「イメージの浸透はまだ不十分で、全国産地の協力が必要。今回、取得が先駆けとしたい」とコメントしている。

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