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農林中金、日本公庫、北洋銀行が道内ワイン企業に協調出資・融資

2020年10月19日

醸造用ぶどう安定生産で、農業・食産業の持続的発展を支援

 農林中央金庫、日本政策金融公庫、北洋銀行は16日、北海道小樽市で果樹(醸造用ぶどう)の生産・販売を行う「北海道ワイン後志ヴィンヤード㈱」(嶌村公宏代表取締役)に対し3行による協調出資・融資を行うことを明らかにした。

 北海道ワイン後志ヴィンヤードは、後志管内で醸造用ぶどうを安定生産し、北海道ワイン㈱グループが新たなGI北海道ワインブランドを立ち上げるため今年4月に設立。初年度は仁木町の農地を取得し、2021年春に植栽、24年秋の収穫を目指す。22年度には、隣接する余市町で現在、醸造用ぶどうが生産されている土地を承継し、同年秋より収穫を開始する予定。

 今回の3行による資金支援は、北海道ワイングループの取組みが「後志管内での醸造用ぶどうの生産基盤維持・発展と、地元産ぶどうを原料とする日本ワインの生産増につながり、地域産業の発展に資する取組みであること、また、ぶどう生産とワイン生産が地域において一体的に取組まれることで地域の活性化が期待される」と説明。▼ほくよう農業地域活性化ファンドを通じた出資1000万円、▼アグリビジネス投資育成㈱(アグリ社)を通じた出資1000万円、▼農林中金からの融資予定額3000万円、▼日本公庫からの融資額3000万円、により連携して支援することとしている。

 今後、〈北海道ワイン後志ヴィンヤード〉は、醸造用ぶどうの安定生産を目指すとともに、後志管内で後継者不足等により離農が進む農地の受け皿や就農希望者への技術承継、〈北海道ワイン〉は同社の醸造用ぶどうを使用した新たなGI北海道ワインブランドを立ち上げ、輸出を含めた幅広い販売戦略の展開、をめざす。

 農林中金、日本公庫、北洋銀行では「各種商談会の提案やビジネスマッチング等により北海道ワイングループを支援していくほか、今後も、自治体等関係機関と連携した地域活性化に取組んでいく」とコメントしている。

【ほくよう農業地域活性化ファンド】北洋銀行、日本公庫等が共同で組成したファンド。本件は「ほくよう農業地域活性化ファンド」の第2号案件。
【アグリ社】農林中金等と日本公庫が共同で組成した、件数ベースでは国内最大規模の農業ファンド。

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