日本農業の発展と農業経営の安定、農村・地域振興、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

農林中金等が「大丸有SDGsACT5」の実施状況を報告

2020年9月9日

 農林中央金庫、三菱地所㈱、㈱日経BPなどで組織する大丸有SDGsACT5実行委員会は3日、記者会見を開き、「大丸有SDGsACT5」の実施状況を報告した。

 同プロジェクトは5月11日~11月16日(メイン期間=8月31日~9月5日)の期間で実施されている。「サステナブルフード」「気候変動と資源循環」「WELL―BEING」「ダイバーシティ」「コミュニケーション」の5つの活動の柱(=ACT)を設定、大丸有エリア(大手町、丸の内、有楽町)に拠点を置く企業を中心に、企業の枠を超えて連携し、様々なアクションを展開してきた。35個のアクションを展開、45社(実行委員企業を含めない)の協力先とパートナーシップを実現している。

 会見では農林中金の取組について、営業第二部の高島竜馬部長代理と債券投資部の中川宙部長代理が説明した。

 高島部長代理は「三菱地所、農林中金の双方がサステナブルを重視した経営を開始する中で、大都市の消費を支える地方の農林水産業と、地方の生産者を需要で支える都市というサステナブルな関係を改めて認識した。我々2者のバックボーンは異なるが、互いのバックボーンが支えあっていること、これからも互いに支えあい、持続可能な成長をしていくことが、未来に向けての我々のミッションのひとつだと捉え、このSDGsACT5の取組みに至った。互いに支えあう関係は、我々だけでなく、大都市に基盤を持つ企業や、地方の農林水産業にかかる生産者、全体に渡る関係と考えており、そういう方などと連携してこの取り組みを広げていきたい」と語った。またSDGsACT5では、生分解性プラスチックをたい肥化して生産した野菜を丸ビルなどで販売していることや、高速バスの空いたトランクを活用して日本各地の農産物直売所などから生鮮品を東京に運ぶ「あいのり便」の取組みについても報告した。

 中川部長代理は、5つのACTのうち、「サステナブルフード」について、農林中金が主に気候変動を中心にサステナブル投融資を推進、2020年3月末時点で1・8兆円のサステナブル投融資残高を有し、今年度も2500億円の新規投資目標を設定している等と説明。この取組みの一環で昨年度世銀のフードロス債発行額の約60%を占める規模の投資を行ったことにも触れ、フードロス問題の解決に加え、フードロスに起因する温室効果ガスの削減による気候変動の抑制につながることを期待すると語った。あわせて今後、10月30日の「日本フードロスの日」に、外国特派員協会のスベンドリニ カクチ前会長をファシリテーターに、農林中金の新分敬人代表理事専務と世界銀行の有馬良行財務局駐日代表が対談するフードロス×金融のワークショップを開催することを紹介。その上で、「農林中金は、64兆円のグローバル市場運用資産や、農協・漁協・森林組合が有するノウハウ・プラットフォームなど、ESGに効果的なアセットを有している。これらアセットを活用し、大丸有エリアをはじめ、関係者と協力しながら、本件に限らずグローバルなESG/SDGs課題の解決に貢献していきたい」と述べた。

keyboard_arrow_left トップへ戻る