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フレッシュ感のあるたくあん漬けを製造できるダイコンを育成=農研機構

2020年7月21日

 農研機構等は、フレッシュ感のあるたくあん漬けを製造できるダイコン「令白(れいはく)」を育成した。

 新品種は、臭いや黄変の元となる成分を含まないため、〝たくあん臭〟が無いたくあん漬けを製造することが可能。関東以南の秋播き秋冬どり作型に適した白首品種で、根重は「悠白」に比べて重く、収量性に優れる。根長は代表的な漬物用品種の「秋まさり2号」(㈱柳川採種研究会)に比べて短いが、最大部根径は太く、根形は長円筒形。根重1500g以上でも、す入りが見られない。また、採種方法に細胞質雄性不稔性を利用しているため、自家不和合性によって採種している「悠白」に比べ、根の形が均一、といった特徴を有する。

 日本におけるダイコンの1日あたり消費量は2015年にタマネギに次いで2位となった。和食洋食を問わず利用されることが多いタマネギに対して、ダイコンは和食との相性が良いため、洋食を好む若年層での消費が低迷していると考えられる。また、ダイコンの代表的な加工品であるたくあん漬けに対する若年層の嗜好性が低いことも一因で、たくあん漬けから発生する臭気(たくあん臭)は、フレッシュ感の消失を連想させると考えられるという。このため、農研機構では、加工してもたくあん臭の発生しないダイコン品種の育成に取り組んできた。

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