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アグリテックベンチャーのGRAが新規就農者への事業拡大

2020年7月7日

 ㈱GRA(宮城県亘理郡、岩佐大輝代表取締役)は、㈱INCJ(勝又幹英代表取締役社長)、NECキャピタルソリューション㈱(今関智雄代表取締役社長)を引受先とした第三者割当増資を行い、シリーズB(=ベンチャー企業に対し、ベンチャーキャピタル等が出資する段階のひとつ)総額約3・3億円の資金調達を完了した。なお、今回を含むGRAグループ累計での資金調達額は総額で約8・5億円となる。

 GRAは、新規就農者に対してICTを活用した栽培指導や経営ノウハウの共有、コストを抑えた栽培設備導入などを支援し、新規就農者が栽培したイチゴを買い取り、開拓した販路に流通させる「アグリプラットフォーム事業」を展開。百貨店・スーパーなどを中心とした小売店や業務用途向けのレストランチェーン店を販路としており、自社ブランドの「ミガキイチゴ」の供給のほか、ミガキイチゴを用いたスパークリングワインなどの加工品を販売している。2018年には、GRAの100%子会社である㈱いいねのもとで、ミガキイチゴを主原料としたイチゴスイーツ専門カフェ「いちびこ」の運営を開始し、都内を中心に8店舗を展開。現在、GRAから独立した新規就農者(法人6社及び個人3名)がイチゴ栽培を開始している。

 今回、GRAは、新規就農者に対する「アグリプラットフォーム事業」の拡大、イチゴの通年栽培による安定供給と販売強化、イチゴ生産を基盤に食品加工や流通・販売に至る包括的なバリューチェーンの強化を目的に、新たな資金調達を実施した。調達した資金は、新規就農者に対する栽培指導や販売支援の強化、技術的に難しいとされる夏から秋に栽培する「夏イチゴ」の栽培設備の新設や食品加工設備の拡張、「いちびこ」の出店拡大に充てられる。将来的には、日本国内で確立した「ミガキイチゴ」ブランドの海外ライセンスビジネスも視野に入れた事業を展開していく予定。

 〈INCJ〉は、革新性を有する事業に対し出資等を行うことで産業革新を支援(㈱産業革新機構から新設分割)、〈NECキャピタルソリューション〉は、情報通信機器、事務用機器、産業用機械設備、その他各種機器設備等のリース・割賦等を行っている。INCJは2012年、GRAに3億円の出資以降、コスト構造の改善や事業計画の策定と実行支援をはじめとした経営基盤の強化を中心に支援。勝又社長は「今後は、GRAが生産から販売まで一気通貫でつなぐバリューチェーンの構築を推進し、東北発のアグリテックベンチャーとして海外にも飛躍することを期待している」、NECキャピタルソリューションの今関社長は「今後は、GRAと連携し地域経済活性化のモデルを推進していきたい」などとコメントしている。

 GRAは、創業者であり同社代表取締役の岩佐氏の故郷・宮城県亘理郡山元町が東日本大震災で大きな被害を受けたことを機に、復興支援や雇用創出に貢献するため、スマート農業によるイチゴ栽培を目指して設立されたアグリテックベンチャー。

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