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自己改革の実践を支える持続可能なJA経営基盤の確立・強化へ

2020年4月13日

JAグループの自己改革の実践と基本的対応方向決定=JA全中

 JA全中は9日、経済事業の収益力向上や店舗・ATM再編などを盛り込んだ「JAグループの自己改革の実践と今後の基本的対応方向」を決定した。これにより、不断の自己改革の実践に向け、将来にわたって持続可能なJA経営基盤を確立・強化し、総合事業体として機能発揮をしていくことを目指す。

 JAグループは「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」を目標とする「創造的自己改革」の実践に総力を挙げて取り組んでおり、これまでに全国のJA・連合会において、組合員との徹底した話し合いを通じて、創意工夫ある取り組みを実践し、多くの実績・成果が積み上がっている。政府の農協改革集中推進期間は令和元年5月末で終了したが、自己改革に終わりはないとして、今後ともJAグループは、自己改革の実践を支える持続可能なJA経営基盤の確立・強化を実現し、不断の自己改革に取り組んでいくとしている。

 「対応方向」では、直近の情勢認識を、「JAの信用事業は、これまでJAの預け金に対し、信連・農林中金の市場運用を通じて、安定した収益を確保してきた。一方、資金運用環境は引き続き好転が見込めず、資金量の拡大に応じた運用収益確保の不確実性も増している状況」「JAの経済事業は、総じて赤字傾向。信用・共済事業利益により全体事業利益を確保する収支構造。農業生産構造や実需の変化に対応した事業モデルの転換等を通じて、自己改革の実践と経済事業の収益力向上・収支改善の両立が課題」とし、これに対応し、今後の重点取組を行う。

 具体的には、▼経済事業の収益構造の改善(信用・共済事業への過度な負担等からの転換)…地域や品目特性等を踏まえた農業生産の拡大や販売事業(直売)の強化、ICTの活用等による業務効率化、連合会と連携した事業・施設再編などを通じた、経済事業の収益力向上・収支改善の着実な実践、▼信連・農林中金の市場運用へ過度に依存しない収益構造の確立および組合員・利用者ニーズをふまえた接点の構築…農業融資等貸出の強化や店舗・ATMの再編、要員の再配置など、組合員・利用者の利便性・満足度の向上と効率的な事業運営を可能にする店舗・チャネル対策の実践、▼市場運用の状況と調和のとれた安定調達の実現…信連・農林中金は、リスク管理の高度化等をはかり、JAへの安定還元に最大限努力。JAは、貸出を中心とした自らの運用と信連・農林中金の市場運用をふまえ、JA貯金の安定的な調達を実現、に取り組む。

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