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田畑売買価格が25年連続の下落=全国農業会議所調査

2020年4月3日

下落要因はともに「農地の買い手の減少」が最多

 全国農業会議所は、令和元年田畑売買価格等に関する調査結果を公表した。それによると、純農業地域の農用地区域の農地価格(全国平均)は、中田価格が10a当たり116万5千円と前年比1・3%の下落、中畑価格が86万1千円と1・1%下落した。中田、中畑価格ともに平成7年以降25年連続の下落となった(最高価格はいずれも平成6年で、中田が200万2千円、中畑が137万8千円)。

 ブロック別に見ると、全てのブロックで下落した。特に、比較的価格の低い北海道(中田△2・3%、中畑△1・6%)および東北(中田△2・7%、中畑△2・2%)や、四国(中田△2・1%、中畑△2・2%)などで、中田・中畑価格ともに下落幅が拡大した。

 価格の下落要因としては、農業への先行き不安や賃借の増加等による「農地の買い手の減少や買い控え」(中田30・3%、中畑35・0%)が最も大きく、次いで、中田では「米価など農産物価格の低迷」(16・5%)、「生産意欲の減退」(15・3%)、中畑では「後継者不足」(14・9%)、「生産意欲の減退」(13・9%)、が続いている。 

 都市的農業地域の農地価格は27年連続で下落  一方、都市的農業地域の市街化調整区域の農用地区域の農地価格(全国平均)は、中田が308万7千円で1・5%下落、中畑が295万1千円で1・3%下落した。共に27年連続で下落しており、いずれも最高価格となった平成4年と比べるとそれぞれ72・5%、73・7%の下落となった。

 ブロック別では、東北で中田△3・1%(前年△3・4%)、中畑△3・1%(同△3・9%)、四国で中田△3・3%(同△2・4%)、中畑△3・5%(同△3・5%)、九州で中田△3・0%(同△2・0%)、中畑△2・7%(同△2・5%)と△3%前後の下落が続いている。

 価格の下落要因としては「農地の買い手の減少や買い控え」が中田で40・3%、中畑で54・5%を占めたほか、「農産物価格の低迷」が中田で23・5%、中畑で「後継者不足」が15・0%となった。

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