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イグサ生産用「カセット式いぐさ移植機」を限定再生産=クボタ

2020年3月6日

 ㈱クボタはイグサの生産に使用する「カセット式いぐさ移植機」を限定再生産する。熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会、熊本県経済連の要望に応えたもの。

 イグサ栽培は稲と同様に水田に苗を植える移植を行うが、「カセット式いぐさ移植機」は、カセットと呼ばれる金属製の箱に詰めた苗を水田に植え付ける乗用の機械。同社は1991年に生産を開始したものの、国産のイグサが住宅の洋風化や輸入畳との競合などにより生産量が減少、移植機の需要も大幅に減少したため98年に撤退。イグサの移植作業は冬場の重労働であり、作業の特殊性が高いことから専用の移植機は欠かせないが現在は入手困難な状況となっていた。

 同社は「イグサ栽培における機械化体系を守り、熊本県で500年続くとされる日本の伝統産業である『い業』の振興に貢献していく」としている。

 「カセット式いぐさ移植機」は、高出力、低燃費ディーゼルエンジンを搭載し、四輪独立サスペンション、植付け部の水平制御などの組み合わせなどにより、高い基本性能で高効率作業を実現。また、株元整列分離装置を採用することで、きれいに植付けができる。

 また、セットで使用する「いぐさ苗処理機」は苗をセットすれば、根切り・葉切り・株分け・カセット詰めまで一工程で済み、作業効率が大幅に向上するため、一連の苗処理作業が一台で可能になる。

 「カセット式いぐさ移植機」(IT―6B5)はメーカー希望小売価格(税込)770万円、「いぐさ苗処理機」(IS23―3)は220万円。

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