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加工用トマトの生産・加工・製品化事業で4者が業務連携協定書を締結

2020年2月28日

 生活クラブ連合会はこのほど、農業生産者団体の㈲丸エビ倶楽部、調味食品の製造販売・青果物の販売を行う食品メーカーのコーミ㈱、日本デルモンテ㈱と、安定的で継続性のある加工用トマトの生産に向けて関係者が常に協力関係を継続することを約する「加工用トマト並びにトマトピューレの取り扱いに関する業務連携協定書」を4者で締結した。

 生活クラブによれば、「ここ数年の異常気象や国産加工用トマトの生産農家の高齢化などによりトマトの生産量が低下、2019年度は5月から2020年1月まで国産トマトを原料にしたトマトケチャップの共同購入をストップせざるを得ない事態に至った」という。①コーミと丸エビ倶楽部による加工用トマトの契約栽培、②コーミと日本デルモンテによる原料トマトの供給とピューレ加工、ピューレ買取と国産加工用トマトの生産拡大を包括した業務連携、③コーミと生活クラブによるトマト製品の基本取引、④生活クラブと丸エビ倶楽部との加工用トマト用コンバイン、搬送車の貸与に伴う賃貸並びに保管管理についての連携、が協定内容。4者のコメントは以下の通り。
 ●丸エビ倶楽部代表・海老沢衛氏「今回の協定書締結で、加工品原料の農産物生産に新たに取り組むことになる。若い生産者とともに我々のもつ耕作地をどう活用するかさらに模索していく」
 ●コーミ社長・川澄亮太氏「不作や生産者の減少などを受け、国産加工用トマト製品の製造は会社としても非常に大きな体力が必要になっている。しかし消費者の国産品への強い要望が身に染み、同製品の生産を絶やしてはならないという信念を持つに至った。この協定締結で原料生産・加工・製造・消費までの持続可能なループを実現していく」
 ●日本デルモンテ取締役専務執行役員・牛込伸一氏「今回の協定では加工用トマトの種子の開発と供給、栽培技術指導、ピューレ加工を担う。その中で、ピューレ加工については青森県の加工工場から積極的な協力の申し入れがあった。協定を締結したメンバー始め関連する多くの方たちと全力で取組んでいきたい」
 ●生活クラブ連合会会長・加藤好一氏「消費者団体として酪農や肉牛などの生産に生産者とともに参画してきたが、このたびは持続的な供給体制の構築に向け加工用の原料生産に参画することとなった。国内自給力の向上に向けて、今回このように集まっていただいたことに感謝している」

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