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全国町村会が「これからの農業・農村政策のあり方」提言

2019年12月17日

農村価値創生交付金の創設等、新たな基本計画への反映めざす

 全国町村会はこのほど、『これからの農業・農村政策のあり方についての提言~都市・農村共生社会の創造』をとりまとめ、公表した。

 現在、農水省が策定に向けて審議を行っている新たな「食料・農業・農村基本計画」を受けて、「提言」では、現行基本計画策定時期にあわせて全国町村会が2014年9月にとりまとめた提言『都市・農村共生社会の創造』の主眼である、自治体が担う「農村価値創生政策」について、その後の新たな状況等を踏まえて改めて実現を求めるとともに、そのための支援として、自由度の高い「農村価値創生交付金」の創設(*)を訴えた内容。

 このほか「農村価値創生に向けた政策・事業の推進」や「災害等不確実性への対応」について、その必要性を指摘し、政策推進の源となる「国と自治体のパートナーシップの構築」についてその重要性を強調している。

 全国町村会では「本提言の内容が、新たな食料・農業・農村基本計画に反映され、町村をはじめ自治体の現場に活かされ、農業・農村政策の更なる充実発展を通じた農村価値創生の一助となれば」とコメントしている。

【「農村価値創生交付金(仮称)」の創設】  農村価値創生政策を進めるうえで中核的な役割を担う「農村価値創生交付金(仮称)」を創設すべきである。この交付金のイメージは、農村の価値を持続的・安定的に高める地域独自の多様な取組みを主体的に実施できるよう、国が使途の大枠を決定したうえで、自治体に客観的な基準で配分するものであり、必ずしも新たな財源措置にこだわらず、既存の補助金等からの移行や統合も含めて検討すべきである。
 また、地域における取組みを、その置かれた状況に合わせて様々にサポートする人的役割は極めて大きい。これを「地域農業マネージャー(仮称)」と総称するならば、地域の実情に合わせて各市町村又は各地域(範囲の設定は市町村が判断)に柔軟に配置できるように人材面での制度設計を併せて検討すべきである。
 なお、「農村」の視点からの、各府省の関連予算の一層の連携を図るための新たな仕組みも構築し、「農村価値創生交付金(仮称)」を〈呼び水〉や〈つなぎ役〉にして、農業政策に関連する産業政策や各府省の農村に関わる地域政策の効果をさらに高めることができるよう検討すべきである。

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