日本農業の振興と農業経営の安定、安心・安全な食料の安定供給の視点にこだわった報道を追求します。

こめ油業界初、近赤外分光法を「こめ油」の製造工程管理に応用=築野食品工業

2019年12月17日

 築野食品工業㈱(本社=和歌山県伊都郡、築野富美代表取締役社長)は、こめ油業界初となる近赤外分光法(*NIR)によるこめ油の製造工程管理を確立、このほど本格的に運用を開始した。約2年以上の検証を重ねてきたもの。
 油脂製造において、良品質の製品を作るためには、原料や中間製品の分析による工程管理が欠かせず、酸価、よう素価、曇り点など多様な分析が用いられており、一般的に普及している化学分析の場合、対象項目毎に検体を用意し、それぞれの分析法により有機溶剤等を用いて分析する必要がある。

 このため、同社では重要な管理点となる酸価やよう素価、曇り点の他に、こめ油特有の成分であるγ―オリザノールやビタミンE群を高い精度で測定するNIRを開発。複数成分の同時分析を可能にし、分析作業を効率化した。また、この分析方法は、廃棄物を大幅に削減できるため、環境に配慮したこめ油の製造が可能になるという。

 同社では、NIRを成分分析に入れるメリットとして、①複数の分析を同時にかつリアルタイムで行うことが可能となり、分析の迅速化と効率化に繋がる、②同方法では、分析の結果が分析者担当者の分析技術による影響を受けないため結果が均一化され、更なる品質管理体制の強化に繋がる、③近赤外分光法は非破壊分析のため、工程ロスや廃棄物が削減できる(年間で削減できる溶剤や試料のインパクトは、酸価測定に限っても溶剤457・5L、試料32・5kg)で使用する溶剤や化学物質を削減し、環境へ配慮した製造工程管理を可能にする、と説明している。

《近赤外分光法(NIR)》  一般的な化学分析とは異なり、有機溶剤等の試薬を使用せず、測定対象そのものに近赤外光を照射し、光の吸収の度合いから成分を判別・定量する方法。NIRは非破壊検査のため、選果場などでの果実の糖度選別、乳製品の脂質等の測定、ビールのアルコール濃度の測定などに応用されている。

keyboard_arrow_left トップへ戻る