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資源循環型農業を実現へ、もみ殻ガス化発電システムの実証を開始=ヤンマー

2019年11月27日

 ヤンマー㈱のグループ会社であるヤンマーエネルギーシステム㈱(大阪市)は、稲作農業で発生するもみ殻を活用し、熱と電気を供給する資源循環型のもみ殻ガス化発電システムの実証を開始した。もみ殻に特化した小型ガス化発電システムは国内初。

 稲作農業では、もみ摺り時に発生するもみ殻の処理方法としてかつて行われていた野焼きは禁止されており、国内で発生する年間約200万tのもみ殻は、たい肥などに一部利用されるものの、エネルギー源としては活用されていない。

 ヤンマーエネルギーシステムでは、もみ殻を有効活用し燃料としてガス化、熱電併給も行うことができる小規模分散型のもみ殻ガス化発電システムを開発し、このほど㈲フクハラファーム(滋賀県彦根市)で本格的に同システムの発電を開始した。フクハラファームでは、毎年およそ200t発生するもみ殻が処理されている。また、もみ殻の燃焼後に残る「くん炭」も農地に還元することができるため、ヤンマーでは「エネルギーの地産地消に加え、有害物質を発生しないトリジェネレーションシステムとして資源循環型農業にも貢献する」としている。発電量は15kW(年間7万5000kWhを計画)。

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